「大学職員面接の逆質問では、どんなことを聞けば面接官の印象が良くなるの?」
「大学職員面接に向けた、具体的な逆質問の例が知りたい!」
大学職員を目指す人の中には、面接官への逆質問でどのようなことを聞けば良いのか、迷っている人も多いのではないでしょうか。
確かに、逆質問の時間は面接の最後に設けられることが多く、逆質問の内容によって面接官のあなたに対する印象は、良くも悪くも大きく左右されるため、逆質問の内容はとても重要です。
結論から言うと、以下のような質問をすれば面接官に良い印象を与えることができます。
具体的な質問例を早く確認したい方については、上記のリンクをクリックして確認してみてくださいね。
- 面接官に良い印象を与える逆質問の例
- NGな逆質問の例
- 逆質問の内容を考えるときに気をつけること
- 実際に逆質問をするときに気をつけること
本記事では、国立大学職員として10年以上の勤務経験があり、中堅私立大学の内定も獲得したこともある筆者が、大学職員面接の逆質問における質問例と気をつけるべきことを詳しく説明します。
大学職員面接を控えている人、大学職員になりたいけど面接に苦手意識のある人は、最後までじっくり読んでみてください。
▼大学職員の面接対策に関する質問が知りたい方はこちらからご覧ください
1.面接官によい印象を与える大学職員面接の逆質問6選
さっそく、面接官によい印象を与えることのできる逆質問の例を見ていきましょう。
あくまで一例となりますが、次のようなジャンルの質問は、面接官に良い印象を与えやすいです。
具体的な質問例を挙げながら、詳しく説明していきますね。
1-1. 経営方針に関する質問
「貴学の入学志願者はこの3年間で2割増となっており、学生人気が急激に高まっていると感じております。私の考えではこの志願者増は〇〇の施策によるところが大きいと考えていますが、いかがでしょうか。また、今後も入学志願者を増やしていくために行っていく施策を、差し支えない範囲でお聞かせいただけますでしょうか。」
大学の今後の事業方針や成長の過程を聞くことで、その大学への興味・関心が強いことを面接官に印象付けることができます。
さらに、自分なりの考察や仮説をプラスすることによって、論理的思考ができることについてもアピールすることができます。
1-2. 大学との相性に関する質問
「私は貴学の『若手職員からのアイディアを積極的に採用する』という組織風土に魅力を感じています。貴学で現在活躍されている先輩方が、共通して持っている姿勢や考え方はありますか?」
大学の雰囲気や組織風土と、あなたの意識や考え方に相違がないか確認しておくことは、内定後のミスマッチを防ぐために有効です。
特に、若手職員の姿勢や考え方を聞くことによって、自分がその大学で働く姿をより具体的にイメージできるようになります。
1-3. 希望部署の構成や業務内容に関する質問
「私は前職の経験を生かし、学生支援部門への配属を希望しています。部署の人数や平均年齢、役割分担を教えていただけますか?また、研修制度についても教えていただけますでしょうか?」
希望部署の構成や業務内容、研修制度について質問することで、採用後にどんな仕事をしたいか具体的にイメージできていることをアピールできます。
ただし、大学職員は業務の幅が広く、人事異動も多い職業です。特定の部署にこだわりすぎると、面接官に「この仕事しかしたくないのかな?」というマイナスイメージを持たれる可能性もあることは注意しておきましょう。
1-4. 大学の抱えている課題に関する質問
「貴学の事業報告書によると、収入の規模に対して借入金比率の割合が高いことが課題として挙げられていました。今後、この課題を解決するためにどのような取り組みを進めていくのか、差し支えない範囲でお聞かせいただけますでしょうか。また、私個人的には〇〇の取り組みを進めることで大学の収入を増やすことができ、借入金の減少にもつながると考えているのですが、いかがでしょうか。」
大学の抱える課題に対する、今後の取り組みや対応策について質問することで、大学の長所だけでなく、短所についてもきちんと研究できていることのアピールになります。
さらに、自分なりの課題解決策を提案し、意見を聞くところまでできれば、面接官の印象に強く残ることは間違いありません。
ただし、見当外れなことを言ってしまうとマイナスイメージだけが残ってしまうリスクがあります。
課題解決策を提案するのは、大学のことをきちんと研究できている自信があるときだけにしておきましょう。
1-5. 身につけるべき能力に関する質問
「貴学の国際化人材育成プロジェクトは、これからのグローバル社会を生き抜くための素晴らしいプロジェクトであり、採用後は私もぜひこのプロジェクトに参画したいと考えております。私の現在のTOEICスコアは750点なのですが、入職までに何点を目標に勉強したらよいでしょうか?」
採用までに勉強するべきことや取得するべき資格についての質問は、一見やる気にあふれた良い質問のようですよね。
しかし、「採用までに勉強しておくことはありますか?」といった漠然とした質問では、面接官の印象には残りません。
なぜなら、どの大学にも同じ質問をすることができるため、面接官にはあなたの志望度や熱意が伝わり辛いからです。
逆質問は質問ができる場であると同時に、アピールの場でもあります。
あなたが志望大学のことをしっかりリサーチし、本気で採用までに勉強するべきことを知りたいと思っている。そのような印象を面接官に与えるためには、
- 自分が今できること(能力のアピールも兼ねる)
- なぜその能力を伸ばしたいと思うのか、その能力を伸ばすことでどんな活躍がしたいのか
- 能力を伸ばすために勉強に率先して取り組む姿勢
について面接官に伝わるような質問の仕方にしましょう。
1-6. 面接官個人に関する質問
「〇〇様が働く中で最もやりがいを感じた瞬間について、教えていただけますでしょうか?」
面接官個人に質問をした場合、面接官は自分の知識や経験の中からあなたのためだけに回答を探すことになるため、面接終了後もあなたのことが印象に残る可能性が高まります。
ただし、面接中の雰囲気があまり良くなかったり、面接官が個人的な質問を好まないタイプと思われる場合、このような質問はしにくいと思います。
前提として、
- 和やかな雰囲気で面接が進んでいること
- 面接官の人柄を観察し、個人的なことを聞いても大丈夫そうだと思えること
この2つの条件をクリアした場合のみ、面接官個人に関する質問を行うようにしましょう。
2. NGな大学職員面接の逆質問5選
よい印象を与える質問の例を見たところで、避けた方が良いNGな逆質問についても見ていきましょう。
面接に慣れていない人が、ついやってしまいがちなNG質問には、以下のようなものがあります。
順番に説明していきますね。
2-1. 「特にありません」
面接の最後に設けられることも多い逆質問の時間は、ただの質問の時間ではありません。
あなたの志望度の高さや、志望大学について研究していることを面接官に伝える最後のチャンスでもあります。
その貴重な時間を「特にありません」で終わってしまうのは、あまりにも勿体ないですよね。面接官も、「うちの大学の志望度は高くないんだな」と思ってしまうでしょう。
「特にありません」と言ってしまうことは、絶対に避けるようにしましょう。
2-2. 「給料はどれくらいもらえますか?」
お給料をどれくらいもらえるか、気になりますよね。でも、それを直球で聞いてしまうのはNGです。
理由については以下のとおりです。
あなたが新卒者の場合
新卒1年目の給与はほとんどの場合、募集要項に書いてあるからです。
言うまでもなく、募集要項に書いてあることを質問してしまうのは印象的にはマイナスです。
あなたが転職者の場合
転職者の場合は新卒者と違い、募集要項からは給与を読み取りにくいこともあるかもしれません。
しかし、転職者の給与は、内定後に年齢やこれまでの職務経歴を勘案して決定されるものであり、面接の場で面接官に聞いてもおそらく正確な答えを得ることはできません。
そのため、このような質問で面接官の印象が良くなることはありません。
給料や年収について知りたい場合は、転職会議やOpenWorkのようなクチコミサイトで、実際に在籍している人の年収を知ることができるため、活用してみましょう。
2-3. 「残業は多いですか?」
大学職員の残業時間は、個人の能力・所属している部署・多忙な時期などさまざまな要因によって変わってきます。
ざっくりと「残業が多いですか?」という質問をしても、おそらく「部署や時期によります」という答えしか返ってこないでしょう。
残業時間について知りたい場合は、次のような質問の仕方の方がベターです。(貴重な逆質問の機会を残業時間の確認に使うこと自体が微妙なところですが…)
「私は前職の経験を生かし、経理系の部署で働きたいと考えています。経理系の部署の多忙な時期といえば、やはり決算期の3月から4月にかけてになるのでしょうか?」
2-4. 「本日の私の面接はどうでしたか?」
面接練習であればぜひ聞いておきたい質問ですが、本番ではNGです。
面接官も立場上「ダメでした」とは言えませんし、答えに困ってしまいますよね。
面接の結果が気になる気持ちは分かりますが、合否は面接の場で決まるわけではないので、このような質問はグッとこらえましょう。
2-5. 無駄に長く、要点がわからない逆質問
無駄に前置きが長かったり、話が長くて何を聞きたいのか分からないような質問はNGです。
聞きたいことだけを簡潔に伝えましょう。面接官も、きっと面接の中であなたに対してそうしているはずですよ。
目安としては、長くても20秒くらいで質問を終えるようにしましょう。
3. 逆質問の内容を考えるときに気をつけること
逆質問の内容を事前にまったく考えずに面接に望む人は少ないと思います。
ここでは、面接前に逆質問の内容を考えるときに注意すべき点を説明しますね。
順番に説明しますね。
3-1. 選考の進み具合によって用意する質問を変える
内定までの面接の回数は、国立大学であれば2〜3回、私立大学であれば3〜4回のことが多いと思います。
その際、選考の進み具合によって用意する質問を変えるようにしましょう。
なぜかと言うと、選考の進み具合によって面接官の役職が異なってくるからです。
例えば、1回目の面接では係員クラスと係長クラス、2回目の面接では係長クラスと課長クラス、3回目の最終面接では理事長や役員クラスといった具合です。
そうなれば当然、選考の進み具合によって用意しておくべき質問も変わってきます。
人事の係長クラスに『今後の経営ビジョン』について聞いても答えに困るかもしれませんし、役員クラスに『手当の有無』について聞いても「そんなの人事に聞いてくれ」と思われるかもしれませんよね。
次の面接で登場する面接官の役職を予想し、適切な質問を用意しておくことはとても重要です。
3-2. 質問は事前に2〜3個考えておくべき
質問は必ず2〜3個考えておきましょう。1個だけで面接本番に挑むのはとても危険です。
なぜかと言うと、聞こうと思っていた質問の答えを、面接の中で面接官が言ってしまうケースに備えておくためです。
聞こうと思っていた質問の答えを言われてしまうと、いざ逆質問の時にほかの質問が思いつかず、「特にありません…」と言ってしまうことになりかねません。
NG例でも解説したように、これは絶対に避けるべきパターンです。
質問は必ず2〜3個用意してから面接に臨みましょう。
3-3. 自分の仮説を面接官に提示できると印象に残りやすい
大学の経営方針や抱える課題について質問するときは、「自分はこう考えるが、それについてどう思うか」のように、あなたの「仮説」を面接官に提示することで、志望度の高さや論理的な思考能力のアピールにつながります。
ただし、「1-4. 大学の抱えている課題に関する質問」でも説明したように、見当外れなことを言ってしまうとマイナスイメージだけが残ってしまうリスクがあることは留意しておきましょう。
3-4. 手当や休暇の有無は、どうしても気になるようなら聞いてもOK
国立大学の場合は、住宅手当・扶養手当・管理職手当といったような一般的な手当はどこの大学でも必ず支給されます。
しかし、私立大学の場合は大学によって手当の有無や金額が異なります。募集要項などに記載がなく、どうしても気になる場合は聞いても問題ありません。
例えば、住宅手当や扶養手当などは毎月の金額が数万円に上るため、有るか無いかで年収も大きく変わってきますよね。
また、私立大学の場合は授業や行事の関係で土曜日・日曜日に出勤しなければならない場合も多いです。
「月に何回土曜出勤があるのか」「日曜や祝日に出勤した場合代休はとれるのか」といったようなことについても、募集要項に記載がなければ聞いてもOKです。
手当や休暇といった待遇面について聞くことを遠慮してしまうと、内定後に思わぬミスマッチが起こってしまうこともあります。気になることは選考の初期の段階でハッキリさせておいたほうがよいです。
4. 実際に面接で逆質問をするときに気をつけること
前の章では、前もって逆質問の内容を考えるときに注意すべき点を説明しました。
しかし、面接がどのような形で進むかは事前に予想できません。どのような状況になっても慌てないように、実際に逆質問をするときに気をつけることについてもお伝えしますね。
以下が、実際に面接で逆質問をするときに気をつけるべきことです。
順番に解説しますね。
4-1. 回答をもらったら必ずお礼を言う
礼儀として当たり前のことになりますが、面接官から回答をもらったら、まず初めにお礼を言いましょう。
自分の意見や追加の質問をしたい場合でも、「ありがとうございます。恐れ入りますが、ただいま回答をいただいたことは、〇〇ということでしょうか。」といったように、まずお礼から入りましょう。
面接官はあなたの質問に真摯に答えてくれているはずです。面接の印象を良くするためにも、回答に対するお礼は必ず言いましょう。
4-2. 面接の中でのやりとりに結びつけると好印象
少し高度なテクニックになりますが、面接の中でのやりとりに結びついた質問ができれば、面接官に好印象を与えることができます。
「面接の中で〇〇様は△△ということをおっしゃっていましたが、それを踏まえて私は□□□□□□と考えます。この考えについて〇〇様はどう思われますでしょうか。」
面接の中のやりとりに結びつけることにより、面接官は「ちゃんと話を聞いているんだな」「事前に用意した質問ではなく、面接の中で疑問に思ったことをすぐに言葉にできるんだな」といったように、あなたに良い印象を持つはずです。
とは言え、面接中に生じた疑問を、本番の緊張した状況下で言葉にするのは、よほどの面接上級者でなければ難しいでしょう。
無理をして面接の中でのやりとりに結びつける質問をする必要はなく、できそうならチャレンジしてみる程度で大丈夫ですよ。
4-3. 前向きな言葉で終わることができればさらに◎
逆質問の回答をもらったあとの締めは、前向きな言葉で終わることができれば面接官の印象はさらに良いものになります。
以下の例のような、前向きな終わり方を意識しましょう。
「今回〇〇様から、今までに一番やりがいのあった仕事について回答をいただいたことで、インターネットで調べただけではわからない貴学職員様の生の声を聞くことができ、貴学で働く自分の姿をより具体的にイメージすることができました。」
「今回〇〇様から、貴学でご活躍されている若手職員の話をお聞かせいただいたことで、貴学で働きたいという気持ちがよりいっそう高まりました。」
5. まとめ
次のようなジャンルの質問は、面接官に良い印象を与えやすいです。
逆に、次のような質問は面接官に良くない印象を与えてしまうので、避けた方が無難です。
面接の前にあらかじめ逆質問の内容を考えるときには、次のことに注意しましょう。
最後に、実際の面接で逆質問を行うときには、次のことに気をつけましょう。
この記事の内容が、あなたの逆質問を考える手助けになれば、とても嬉しいです。