「大学職員の仕事は楽って聞いたけど、本当なの?」
「大学職員がまったりホワイトなら、退職する人はどんな理由で退職するの?」
楽さやホワイトさに魅力を感じて大学職員を目指している人は、このようなことが気になるのではないでしょうか。
確かに、「大学職員=まったりホワイト」というイメージはかなり浸透していますが、本当に楽なのかどうかということや、大学職員に多い退職理由については、知らない人がほとんどだと思います。
結論から言うと、大学職員の仕事は会社員や公務員に比べると間違いなく楽です。
具体的に、私が大学職員をしていて楽すぎだと思った点は、以下の7つです。
- 大学は利益を追求しないのでノルマがない
- 大してがんばらなくても年功序列で昇給する
- 基本的にはルーティンワーク
- 国公立大学や中堅以上の私立大学なら安定している
- 残業は少なめで、残業代はきっちり出る
- 面倒な人を相手にしなくてもよい
- 災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
そして、私の周りで多かった大学職員の退職理由のTOP3は、以下のとおりです。
- 1位:ほかにやりたい仕事ができたから
- 2位:人間関係がうまくいかないから
- 3位:思っていた仕事と違ったから
この記事では、以下のようなことを解説します。
- 大学職員の楽すぎなところ7選
- 大学職員の辛いところ4選
- 大学職員からの転職・退職理由TOP3
- 大学職員への就職・転職理由TOP3
- 大学職員になる方法を解説
まずはじめに、元・国立大学職員である筆者が、大学職員の楽なところを7つと、反対に辛いところを4つ解説します。
大学職員の仕事は楽なのに退職する人も少なからずいます。本当に「辞めてよかった」と思えるような退職なのか、よくある退職理由TOP3について解説します。
さらに、大学職員の仕事に興味を持った人向けに、大学職員への就職・転職理由のTOP3や大学職員のなり方も解説します。
本記事を最後まで読んでいただくことで、大学職員という仕事のメリット・デメリットや、どんな理由で大学職員になり、どんな理由で大学職員を辞めるのかということを知ることができます。
大学職員の楽さやホワイトさに魅力を感じている人は、ぜひ最後までじっくりと読んでみてくださいね。
1.大学職員の楽すぎなところ7選
民間企業から転職し、大学職員として10年以上働いてきた私の感想としては、大学職員の仕事は一般的な会社員や公務員に比べると間違いなく楽です。
具体的には、以下の7つの点から楽だと言えます。
- 大学は利益を追求しないのでノルマがない
- 大してがんばらなくても年功序列で昇給する
- 基本的にはルーティンワーク
- 国公立大学や中堅以上の私立大学なら安定している
- 残業は少なめで、残業代はきっちり出る
- 面倒な人を相手にしなくてもよい
- 災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
順番に解説をしていきますね。
①大学は利益を追求しないのでノルマがない
大学職員は多くの民間企業と異なり、ノルマや売上目標を意識する必要はありません。
理由としては、大学は民間企業と違い、利益を獲得することを目的としていないからです。
民間企業の目的といえば、まず第一に「利益を獲得すること」ですよね。
利益を上げられなければ会社は潰れてしまいますし、会社が利益を上げて規模を拡大することで、新しい市場や雇用が生まれ、経済が回ることになります。
一方で大学の目的は、学校基本法という法律で次のように定められています。
「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」
学校基本法第83条
つまり、大学の目的は教育及び研究であり、利益を獲得することを目的としていません。
そのため、民間企業と違い、大学職員にノルマや売上目標はありません。
②大してがんばらなくても年功序列で昇給する
大学職員の昇給はほぼ完全な年功序列になっています。
仕事での出来・不出来が給与や出世に反映されることがあまりないため、出世競争はありません。
出世競争による蹴落としあいや、成績・業績による評価が苦手な人にとってはピッタリの人事制度です。
③基本的にはルーティンワーク
近年は大学職員に創造性や企画立案能力を求める大学も増えてきていますが、大学職員の仕事はまだまだルーティンワークが多いです。
私の体感では、日常の業務において、ルーティンワークとそうでない業務との割合は8:2くらいでした。
2021年に東京大学大学経営・政策研究センターが現役の大学職員1,983名に実施した第2回全国大学職員調査によると、「パターンが決まった職務の実施」が普段の業務で「大いにある」と答えた人は全体の50.5%、「少しある」と答えた人は全体の42.9%に上りました。
合わせて9割以上の大学職員が「パターンが決まった職務(ルーティンワーク)がある」と答えていますね。
ルーティンワークが楽かどうかは人によって感じ方が違うかもしれませんが、私は「普段はルーティンワークで、たまに企画立案等の創造的業務」という働き方を、ちょうどよいと感じていました。
④国公立大学や中堅以上の私立大学なら安定している
国公立大学ならば職員の年収等の待遇は公務員に準じているため、安定しています。
また、病院の診療収入を除いた国立大学の収入のうち、4割~7割は国からの運営費交付金が占めています。
これらの運営費交付金はその名の通り、教職員の給与など国立大学の運営費として使われるため、資金がショートして職員のお給料が払えなくなるようなことは、あり得ません。
私立大学においては、学生からの授業料や入学金が収入の7割程度を占めています。
したがって、しっかりと定員を充足できている中堅以上の大学であれば、当分は潰れる心配はしなくても大丈夫です。
逆に、すでに定員割れを起こしている地方の私立大学は、安定しているとは言い難いです。
その分、いろいろな施策にチャレンジできるチャンスはあるかもしれません!
⑤残業は少なめで、残業代はきっちり出る
以前の大学では週45時間を超える残業やサービス残業は珍しくありませんでしたが、2010年代後半以降の働き方改革の流れを受けて、大学職員の残業は少なくなってきています。
また、サービス残業についても、私の勤めていた大学や近隣の大学では2020年以降ほとんど行われていませんでした。つまり、残業した分はきっちり残業代が支払われます。
東海・北陸地区国立大学法人等職員採用試験実施委員会が作成した業務案内パンフレット2022の21ページでは、東海・北陸地区の若手職員62名が1か月の平均残業時間を回答しています。
それによると、「10時間以下」と回答した職員は全体の57%で、「20時間以下」と回答した職員は全体の85%に上りました。
多額の交付金や補助金を国から受け取っている関係上、大学では法令順守の意識が高いため、過重労働やサービス残業の心配はそれほどしなくてもよいでしょう。
⑥面倒な人を相手にしなくてもよい
大学職員が普段の仕事で関わるのは、大学の学生と教職員がほとんどです。
すなわち、仕事で関わる相手が最低限の教養を備えていることは保障されています。
大学職員が、面倒な要求をしてくる人やクレーマー気質の人を相手にする機会は、会社員や公務員と比較してずっと少ないと言えます。
民間企業の営業や公務員の窓口業務で面倒な人を相手にして心身が疲弊した知人が何人もいるため、そのような仕事に比べると大学職員の仕事は精神的にずっと楽だと思います。
⑦災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
大学職員は公務員とは違い、災害時の緊急招集や地域行事への強制参加はありません。
公務員の場合、災害時には災害対策本部が役所に設置され、何日も家に帰れない場合もあると聞きます。
また、地方公務員であれば、地域の行事には(特に若手は)半強制的に参加しなければいけない自治体もあります。
プライベートの時間を大切にしたい人にとっては、これは大きなデメリットです。
大学職員であれば、災害時に自分の家族を置いて仕事に行かなくてもよいですし、プライベートを犠牲にしてまで地域の行事に参加する必要もありません。
2.大学職員の辛いところ4選
ここまで大学職員の楽なところについて解説してきましたが、当然、大学職員にも辛いところはあります。
具体的には、以下の4つの点が辛いといえます。
- 仕事をがんばっても給料に反映されない
- 年収は高すぎるわけではない
- 部署ガチャがある
- スキルが身につかない
順番に解説をしていきますね。
①仕事をがんばっても給料に反映されない
「1.大学職員の楽すぎなところ7選」で解説したように、大学職員の給与体系は年功序列となっています。
年功序列のメリットとして「大してがんばらなくても昇給する」「右肩上がりで昇給するためライフプランが立てやすい」ということが言えますが、それは以下のようなデメリットの裏返しでもあります。
- がんばっても昇給に反映されない
- 若いうちは給与が高くない
したがって、仕事をバリバリこなしたいと思っている人や、若いうちからガンガン稼ぎたいと思っている人は、大学職員を辛いと感じてしまうかもしれません。
②年収は高すぎるわけではない
大学職員といえば「楽で高給」というイメージがあるかと思いますが、高給取りなのは一部の大手私立大学職員だけです。
以下は、京都府の大手私立大学である龍谷大学の職員募集要項に記載されているモデル年収です。
- 22歳:360万円
- 24歳:460万円
- 30歳:700万円
40歳のモデル賃金は月475,600円、2021年度賞与実績は6.75か月+一律額とのことなので、40歳での年収は900万円はほぼ確実でしょう。
40歳で年収900と言うと、世間的には高年収の部類に入りますが、決して高すぎるわけではありません。一流商社やコンサルに就職していれば、この倍くらいもらえてもおかしくはありません。
また、龍谷大学は学生数が約2万人と大規模であり、財務状況も良好であるため、職員の高年収が実現できています。すべての大学職員が高年収であるわけではありません。
ちなみに、龍谷大学のここ3年の中途採用比率は0%で、職員採用ページに登場する先輩職員のほとんどは龍谷大学の出身者です。
国立大学や大手ではない私立大学の年収は以下のようになっており、一般的な公務員や会社員と大差はありません。
大学が同じで大手民間企業に就職した友人が、30歳で私の倍の給与をもらっていると知ったときは辛かったです…
▼大学職員の年収についてさらに詳しく知りたい人にはこちらの記事がおすすめです!
③部署ガチャがある
大学職員は2~3年に一度の間隔で、人事異動を繰り返します。
その際、特に若いうちは様々な部署をまたいで異動することになるので、俗に言う「部署ガチャ」を2~3年に一度の間隔で行うことになります。
また、大学職員は部署によって仕事の忙しさが大きく異なります。
例えば、春先の学務系の部署は毎日深夜まで残業しなければいけないほど忙しいですし、情報系や図書系の部署については年間を通してそれほど忙しくありません。
「私は学生支援の仕事しかしたくない!」と思っている人や、「ずっと暇な部署でまったりしたい!」と思っている人は、部署ガチャのある大学職員を辛いと感じてしまうかもしれません。
④スキルが身につかない
国立大学職員の仕事は事務仕事なので、たいていが「誰にでもできる仕事」です。そのため、特別なスキルが身につきにくいです。
さらに、前述のように2~3年に一度の間隔で人事異動があるため、財務などの専門知識をつけようと思っても、慣れてきたころに異動になってしまい、スキルを高めることができません。
スキルを高めて、それをもとに将来転職や起業することを考えている人にとっては、大学職員の仕事は辛いものになってしまいます。
3.辞めてよかった?大学職員からの転職・退職理由TOP3
大学職員の辛いところについても解説しましたが、やはり大学職員の仕事は基本的には楽です。
それでも、民間企業よりも離職率が低いとはいえ、大学職員を退職する人は一定数います。
ここでは、私の周りで大学職員から転職・退職した人の理由TOP3と、その人たちは本当に辞めてよかったのかについて解説していきます。
- 1位:ほかにやりたい仕事ができたから
- 2位:人間関係がうまくいかないから
- 3位:思っていた仕事と違ったから
第1位:ほかにやりたい仕事ができたから
大学職員からの転職・退職理由で最も多いのは、「ほかにやりたい仕事ができたから」という理由です。
例えば、以下のような人がこの理由で退職していきました。
- 大学職員として働きながら大学院を卒業して博士号を取得し教員に転身した人
- 税理士の資格を取得して会計事務所に転職した人
- 国家公務員試験に合格した人
大学職員の仕事は安定しており社会的信用も高いというメリットがありますが、スキルがつかない仕事がほとんどであったり、ルーティンワークが多いというデメリットもあります。
そのため、大学職員は、仕事を通じて自分を高めたい人には向いていません。そのような人は、入職してから後悔しないためにも、大学職員を目指すのはやめておきましょう。
ただし、仕事は楽で残業も少なめなので、働きながら難関資格の勉強をしたい人にはおすすめの仕事だと言えます。
例に出した税理士に転職した人も、「大学職員だから勉強を続けることができた」と語っていました。
ほかにやりたい仕事ができたから辞める場合は、自分の夢や目標のために退職するので、「辞めてよかった」と感じている人がほとんどです。
第2位:人間関係がうまくいかないから
次に多かった大学職員からの転職・退職理由は「人間関係がうまくいかないから」という理由です。
大学職員は穏やかな人が多く法令順守の意識も高いため、パワハラやセクハラは民間企業と比べてもかなり少ないです。とはいえ、人間同士の付き合いなので、どうしても「合う・合わない」はありますよね。
また、大学職員は離職率が低く、大学間での異動が少ないため、人の流動性が低いです。
そのため、「ちょっと合わないな」と感じる人がいたとしても、同じ大学でずっといっしょに働かなくてはなりません。
幸い、大学職員には定期的な学内異動があるため、よほどの小規模大学でなければ、ずっと同じ部署で働くということはありません。
合わない人がいても、その人もしくは自分が、数年で違う部署に異動するまでグッと我慢しましょう。
我慢できずに辞めてしまう人もいますが、見方によっては、心身に不調をきたす前に「辞めてよかった」とも言えます。
なお、国立大学では休暇・休職の制度が充実しており、心身の不調を感じたときは病気休暇を取ることもできます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
第3位:思っていた仕事と違ったから
3番目に多かった大学職員からの転職・退職理由は「思っていた仕事と違ったから」という理由です。
大学職員といえば学生窓口の仕事をイメージする人が多いと思いますが、そのような仕事をしているのは大学職員のごく一部です。
総務・財務のように民間企業と大差ない仕事をしている部署や、寄附金や共同研究といった資金集めを仕事としている部署もあります。
そのため、就職前に思い描いていた大学職員像と現実の仕事とのギャップに悩み、退職してしまう人も少なからずいます。
このような退職については、就職時のミスマッチや知識不足によって起こってしまうことであり、「辞めてよかった」とは言えませんよね。
大学職員を目指す前に、大学職員の具体的な仕事内容についてリサーチしておくことで、想像と現実とのギャップにより退職することを防ぐことができます。
▼大学職員の仕事内容については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね。
4.大学職員への就職・転職理由TOP3
よくある退職理由について知ったところで、大学職員への就職・転職理由のTOP3についても解説していきます。
- 1位:地元で暮らしたいから
- 2位:給料が安定した仕事がしたいから
- 3位:ワークライフバランスを大事にしたいから
第1位:地元で暮らしたいから
大学職員への就職・転職理由で最も多いのは、「地元で暮らしたいから」という理由です。
国立大学職員の場合は、基本的に採用された国立大学で勤務することになります。
他大学への異動を命じられることもありますが、例えば東京大学から千葉大学への転勤のように、原則として同じ地域内での異動であり、転居を伴うようなことはありません。
そのため、実家暮らしの人やUターンの人など、地元での勤務を希望する人には国立大学職員はぴったりです。
私立大学職員の場合は、小〜中規模の大学であれば転居を伴う異動はほぼありませんが、大規模な私立大学であれば、遠く離れた都道府県に異動しなければいけないこともあります。
例えば、学校法人立命館は、京都府の立命館大学と大分県の立命館アジア太平洋大学の2つの大学を運営しているため、どちらにも勤務する可能性があります。
また、遠く離れた都道府県にある付属学校への勤務を命じられるパターンもあるので、私立大学職員を志望する場合は、勤務地についてよくリサーチしておきましょう。
第2位:給料が安定した仕事がしたいから
次に多かった大学職員への就職・転職理由は「給料が安定した仕事がしたいから」という理由です。
国立大学職員の場合は、年収や待遇は公務員とほぼ同じであるため安定しています。
民間の大企業には及びませんが、お金がなくて生活に困るということは、まずありません。
私が民間の中小企業から国立大学職員に転職したときは、年収は2割程度上がりました!
私立大学職員の場合は、大学によって年収は大きく異なります。
大手私立大学の場合は40代で年収1,000万円に到達することもありますが、定員割れを起こしているような地方私立大学では国立大学職員の給与を下回ることもあります。
給料の安定という観点で大学職員を志望するのであれば、国立大学職員か、「都会(政令指定都市)」で「中堅以上(偏差値50以上)」の私立大学を選ぶとよいでしょう。
第3位:ワークライフバランスを大事にしたいから
3番目に多かった大学職員への就職・転職理由は「ワークライフバランスを大事にしたいから」という理由です。
大学職員の仕事は残業が少なめであるほか、営業や接客など、相手の都合に合わせなければいけない仕事に比べると有給休暇ははるかに取りやすいです。
私は20日の有給休暇を毎年使い切っていました!
休日については、国立大学職員の場合は土日祝は休みです。
私立大学職員では隔週土曜日出勤の大学もありますが、その分平日の勤務時間が短かったり、夏休みなどの長期休暇が国立大学よりも長かったりします。
ワークライフバランスのとれた生活を送るため、残業の少なさや有給休暇の取りやすさ、休日の長さなどを重視する人には、大学職員はおすすめです。
5.大学職員になるには?国立と私立に分けて解説
ここまで読んでいただいて大学職員という仕事に興味を持った人向けに、大学職員になる方法を国立と私立に分けて解説していきます。
5-1. 国立大学職員になるには3つの方法がある
まずは国立大学職員からです。国立大学職員になるには、以下の3つの方法があります。
①国立大学法人等職員統一採用試験
→例年7月に、全国7つのブロックに分かれて筆記試験と面接試験等を行う、最も基本的な方法。30歳の年齢制限あり。
②各国立大学法人が行う個別採用試験
→アピールできる資格や社会人経験がある人向けの方法。大学のホームページや転職サイトで募集を行うことが多い。大学によっては筆記試験を行わないことも。
③勤務する大学の常勤職員登用試験
→非常勤として国立大学に勤務している人向けの方法。筆記試験と面接試験を行う。
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5-2. 私立大学職員になるには各大学における採用試験に合格する
次は私立大学職員です。私立大学職員になるには、各大学ごとに行われる採用試験に合格する必要があります。民間企業の就職活動と同じイメージです。
なお、国立大学では個別採用試験と非常勤職員からの登用試験は区別されていますが、私立大学では非常勤職員からの登用でも通常の採用試験を受けなければいけない大学もあるようです。
私立大学の採用試験は国公立大学と違い筆記試験がない場合が多いため、試験勉強を必要としません。
また、様々なブログなどでも給与の面では私立大学職員>国公立大学職員であると紹介されているため、その大学の優秀層の学生を始めとし、日系一流企業や外資コンサル出身者など、さまざまな人材が応募してきます。
さらに、私立大学は国公立大学と比べて常勤職員の数が少ないため、求人が出たとしても募集人数は数名程度であることがほとんど。
以上の理由から、有名私立大学職員の採用倍率は国公立大学職員の数倍~数十倍はあると見てよいでしょう。
ただし、自分に合った転職サイトや転職エージェントをうまく利用することで、合格率を高めることは可能です。以下の記事で詳しく解説しています。
6.まとめ
イメージ通り、大学職員の仕事は基本的に楽です。
具体的に楽な点は、以下の7つです。
- 大学は利益を追求しないのでノルマがない
- 大してがんばらなくても年功序列で昇給する
- 基本的にはルーティンワーク
- 国公立大学や中堅以上の私立大学なら安定している
- 残業は少なめで、残業代はきっちり出る
- 面倒な人を相手にしなくてもよい
- 災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
逆に、大学職員をしていて辛いと感じる点は、以下の4つです。
- 仕事をがんばっても給料に反映されない
- 年収は高すぎるわけではない
- 部署ガチャがある
- スキルが身につかない
大学職員からの転職・退職理由と大学職員への就職・転職理由のTOP3は、それぞれ以下のとおりです。
- 1位:ほかにやりたい仕事ができたから
- 2位:人間関係がうまくいかないから
- 3位:思っていた仕事と違ったから
- 1位:地元で暮らしたいから
- 2位:給料が安定した仕事がしたいから
- 3位:ワークライフバランスを大事にしたいから
大学職員の仕事は若いうちからガンガン稼ぎたい人や仕事を通してスキルを高めたい人にはおすすめできませんが、そうでない人にとっては、仕事は基本的に楽で年功序列で昇給していく上に安定しているため、おすすめできます。
この記事が、あなたが大学職員という仕事を知る上で役に立つことを願っています。