「国立大学職員と公務員のどっちも気になるけれど、どっちかの受験に絞るべき?」
「私は公務員志望だけど、国立大学職員も併願した方がいいのかな?」
国立大学職員や公務員を志望している人の中には、このような疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
確かに、予備校や通信講座では、公務員試験の受験者の併願先として国立大学職員がよくおすすめされていますよね。
結論からいうと、国立大学職員と公務員のどっちかだけに絞る必要はありません。受けられる試験は、可能な限り併願しましょう。
- 国立大学職員と公務員は、試験の流れや形式が似ているから
- 国立大学職員と公務員は、年収や待遇にほとんど差はないから
- 絶対に試験に受かる保証はないので、持ち駒はできるだけ増やしておくべきだから
しかし、国立大学職員と公務員、それぞれどんな特徴があり、どっちが自分に向いているのかを理解できずに、なんとなく併願している人も多いと思います。
せっかく筆記試験に通っても、仕事についての理解が浅ければESの作成時や面接時に困ってしまいますよね。
国立大学職員と公務員を併願するとき、それぞれの特徴や違いを一目で理解できるように、以下の表にまとめました。
実際、公務員の「すべり止め」として国立大学職員を併願する人は多いです。
しかし、国立大学職員はみなし公務員であるため公務員としての身分は有しないものの、年収や待遇、社会的信用といった面では公務員と遜色はありません。
特に「公務員に落ちたら嫌だな」、「楽して働ける=公務員だけ!」と思う方や、以下のことにあてはまる人には、公務員よりも国立大学職員をおすすめします。
- コスパ良く公務員並みの待遇の仕事に就きたい
- 災害時の招集や地域行事の参加はしたくない
私が元国立大学職員なので少なからず偏見が入っているかもしれませんが、国立大学職員は公務員と比べても決して見劣りしない仕事です。
- 国立大学職員と公務員のどっちかに絞らずに併願すべき
- 面接等の対策のために国立大学職員・国家公務員・地方公務員を7つの項目から徹底比較
- どちらも受かった場合のために、それぞれの仕事がどんな人におすすめかを解説
- 国立大学職員と公務員を併願するときのポイントを解説
この記事を最後まで読んでいただくことで、大学職員と公務員のどっちかに絞るべきではないということが理解できます。
さらに、どっちも受かったときのためや、面接・志望動機の対策のために、国立大学職員と国家公務員、地方公務員の特徴や違いを7つの項目から詳しく説明します。
併願するときのポイントも併せて解説しますので、最後までじっくりと読み進めてみてくださいね。
- 1. 国立大学職員と公務員のどっちかだけと絞らずに併願すべき
- 2. 国立大学職員・国家公務員・地方公務員を徹底比較
- 2-1. 【身分】国立大学職員は「みなし公務員」!ただし待遇や社会的信用は公務員と変わらない
- 2-2. 【年収例】年収に大きな違いはなし!
- 2-3. 【災害時の招集】国立大学職員は招集はないが、国家公務員と地方公務員は招集がある
- 2-4.【地域行事への参加】国立大学職員と国家公務員は参加しなくてよいが、地方公務員は参加が半強制のことも
- 2-5. 【サービスの主な提供先】国立大学職員は学生や教員、公務員は国民・地域住民・議員
- 2-6. 【筆記試験の科目】国立大学職員は教養試験のみ!国家公務員と地方公務員は基本的に教養試験+専門試験
- 2-7. 【転職サイト等による求人】国立大学職員は転職サイトでの求人も豊富!国家公務員と地方公務員は増えてきているがまだまだ少ない
- 3. 国立大学職員・国家公務員・地方公務員どっちがおすすめ?向いているのはこんな人!
- 4. 国立大学職員と公務員を併願するときのポイント
- 5. 国立大学職員・公務員試験の筆記試験対策には通信講座がおすすめ!
- 6.まとめ
1. 国立大学職員と公務員のどっちかだけと絞らずに併願すべき
冒頭でも述べましたが、国立大学職員と公務員のどっちかだけに絞らずに、併願することをおすすめします。
- 国立大学職員と公務員は、試験の流れや形式が似ているから
- 国立大学職員と公務員は、年収や待遇にほとんど差はないから
- 絶対に試験に受かる保証はないので、持ち駒はできるだけ増やしておくべきだから
理由を順番に解説していきます。
1-1. 国立大学職員と公務員は試験の流れや形式が似ているから
「まず一次試験として筆記試験を受験し、合格した人だけがグループディスカッションや面接といった二次試験以降に進むことができる」というのが、国立大学職員と公務員に共通する試験の流れとなっています。
筆記試験に合格しなければ面接にすら辿り着けないので、国立大学職員や公務員の志願者は、まずは一生懸命に筆記試験の勉強をすることになります。
「4. 国立大学職員と公務員を併願するときのポイント」で詳しく解説しますが、専門試験も含めて公務員試験の勉強に取り組んでいる人は国立大学職員の試験も十分対策できています。そのため、国立大学職員・国家公務員・地方公務員の全ての併願が可能です。
逆に、国立大学職員志望で教養試験しか勉強していない人も、教養試験のみで受験できる市役所等を併願することが可能です。
1-2. 国立大学職員と公務員は、年収や待遇にほとんど差はないから
「2. 国立大学職員・国家公務員・地方公務員を徹底比較」で詳しく解説しますが、国立大学職員と公務員で年収や待遇、社会的信用にほとんど差はありません。
国立大学職員は公務員と比べても決して見劣りしない仕事ですので、「公務員になることしか考えていない!」という方にも併願先としておすすめできます。
1-3. 絶対に試験に受かる保証はないので、持ち駒はできるだけ増やしておくべきだから
どんなに優れた人でも、試験に絶対に受かる保証はどこにもありません。
せっかく一生懸命勉強をしてきたのに、受験先を絞ることでチャンスを減らしてしまうのは、もったいないですよね。
受けられる試験は全部受けるようにし、持ち駒を増やすことでリスクを分散させていきましょう。
2. 国立大学職員・国家公務員・地方公務員を徹底比較
次に、以下の7つの項目について、国立大学職員・国家公務員・地方公務員を比較していきます。
- 身分
- 年収例
- 災害時の招集
- 地域行事への参加
- サービスの主な提供先
- 筆記試験の科目
- 転職サイト等による求人
ESや面接対策のために、それぞれの特徴を知っておく必要があります。どういった特徴があるのか、順番に見ていきましょう。
なお、この記事における国立大学職員・国家公務員・地方公務員の定義は以下のとおりとします。
国立大学に勤務する事務系職員。総務、人事、会計、教務、研究協力、国際交流、学生支援等の幅広い業務をこなす。本人が希望しない限りは採用された大学、もしくはその近隣の大学のみで勤務する。
国家公務員一般職として本府省や地方にある出先機関に勤務する行政事務職員。「主として事務処理等の定型的な業務に従事する職員」と定義されるが、本府省を職場として選んだ場合は、国家総合職と共に国の政策立案に携わることも。全国9つの地域別に採用されるため、基本的に転居をともなう異動はない。
都道府県庁や市町村役場の行政事務職員。都道府県庁では産業振興、道路・河川・施設の管理、教育・福祉、国との関係調整事務などの広域的行政サービスを担う。市町村役場では住民票や戸籍登録、各種諸証明の発行、まちづくりなど、地域住民の日常生活により密着した基礎的行政サービスを担う。
2-1. 【身分】国立大学職員は「みなし公務員」!ただし待遇や社会的信用は公務員と変わらない
人に仕事を聞かれたときに「国立大学職員です」と返すと、公務員であると勘違いされることがよくありました。でも実は、国立大学職員は会社員でも公務員でもありません。
もともと国立大学職員は国家公務員でしたが、平成16年4月に国立大学が法人化されたことに伴い国家公務員ではなくなり、「みなし公務員」となりました。
みなし公務員とは、公務員としての身分は有しませんが、公共性や公益性の高い職業に従事している民間企業等の職員のことです。身近なところでは、日本郵便や、大学入試センターなど各独立行政法人の職員もみなし公務員です。
つまり国立大学職員は、普通の民間企業の会社員でなければ公務員でもない、非常に微妙な立場なのです。
国立大学職員の給与体系は公務員に準じており、健康保険や年金として文部科学省共済を利用できます。そのため、社会的信用は公務員と遜色ありません。
また、仕事の進め方や昇進スピードについては公務員時代のものが色濃く残っています。
国家公務員と地方公務員について言えば、国家公務員は国家公務員法、地方公務員については地方公務員法でその身分が定められている「公務員」です。
そのため安定性という意味では、身分や待遇が法律で保証されている国家公務員や地方公務員に分があります。
ただし、これまで大学の業績悪化などを理由に解雇(=リストラ)となった国立大学職員はひとりもいないので、安心してくださいね。
もしいたら大学界隈で大ニュースになります!
2-2. 【年収例】年収に大きな違いはなし!
年収については、国立大学職員・国家公務員・地方公務員で、実は大きな違いはありません。
具体的なデータに基づいて解説しますね。
- 大阪大学職員
- 国家公務員(一般職)
- 大阪市職員
の三者で比較を行ったのが以下の表です。
※国家公務員(一般職)の数字は国家公務員の給与より、大阪市の数字は大阪市職員のモデル年収額より
※金額はすべて令和元年度のものを使用
意外なことに、35歳時点(大阪市は36.3歳)での年収は、大阪大学が最も高くなっています。
また、50歳時点(大阪市は50.8歳)での年収も2番目に高く、1位の大阪市ともそれほど大きな差はありません。
国立大学職員は「みなし公務員」であるため、国立大学職員は「自分たちの年収は公務員よりも低い」となんとなく思いがちです。
しかし、上の表のようにデータに基づいて比較を行うと、国立大学職員の年収は公務員とほぼ同じ水準と言ってもよさそうです。
2-3. 【災害時の招集】国立大学職員は招集はないが、国家公務員と地方公務員は招集がある
国立大学職員は公務員ではありませんので、台風や地震といった災害のときに出勤する必要はありません。
もちろん、大学に勤務している時間に災害が発生した場合、学生を優先して避難させるなどの行動はとる必要はありますが、普通のサービス業でもお客様を優先して避難させるのは当然ですよね。
国家公務員や地方公務員の場合は、大規模な災害が起こったときには災害対策本部が置かれ、担当となった職員は何日も家に帰れないこともあるそうです。
「災害等の非常時こそ国民や住民の役に立ちたい!」という強い使命感を持っているならば別ですが、私は非常時は家族と一緒に過ごしたかったため、公務員ではなく国立大学職員を第一志望としていました。
2-4.【地域行事への参加】国立大学職員と国家公務員は参加しなくてよいが、地方公務員は参加が半強制のことも
私が国立大学職員として勤務していた10年超の間、地域行事への参加を強制されたことは一度もありませんでした。
私の勤務していた国立大学では仕事とプライベートを別々に考えている職員が多く、そもそも休日に集まったり、ましてや仕事をするということは考えられない環境でした。
国家公務員の場合は、本府省やその出先機関で働くため、地域に密着した仕事をするわけではありません。よって、地域行事への参加を強制されることはありません。
地方公務員の場合は、もちろん自治体によりますが、地域のお祭りやボランティア活動、消防団などの参加を半強制されるような自治体もあるようです。
私の後輩にも地方公務員(町役場)から大学職員に転職してきた人がいて、理由を尋ねたら「休日の行事参加がしんどかったから」と言っていました。
特に小さな自治体では、人間関係が非常に重要です。一生その自治体で働くためには、地域住民に嫌われることは絶対に避けなければなりません。
そのため、本当は参加したくないけれども、地域住民に嫌われないために仕方なく地域行事に参加している若手も多いそうです。
2-5. 【サービスの主な提供先】国立大学職員は学生や教員、公務員は国民・地域住民・議員
大学職員のサービスの提供先は主に学生と教員です。
大学生と教員ということは当然、一定以上の知性や教養を備えています。すなわち、こちらの話が全く伝わらなかったり、丁寧に説明しても理解してくれなかったりすることは、ほぼありません。
私もこれまで学生や教員とトラブルになったことはありますが、必ず話し合いで解決することができました。
一方で、公務員のサービスの提供先は、国民や地域住民となります。言い方は悪いですが、相手は必ずしも知性や教養を備えている人とは限らないため、こちらの話が通じない時も多いそうです。
さらに、議員に政策の説明をしたり、議会での答弁の原稿を作成するのも公務員の大事な仕事です。言うまでもなくミスは許されない仕事であり、やりがいはありますがその分プレッシャーも大きいです。
以上のことから、公務員はイメージよりもストレスの大きな仕事だと言えます。ストレスに弱いと自覚している人には、大学という平穏な環境で働くことができる大学職員をおすすめしたいです。
2-6. 【筆記試験の科目】国立大学職員は教養試験のみ!国家公務員と地方公務員は基本的に教養試験+専門試験
国立大学職員の職員統一採用試験は、毎年以下のような形式で行われます。
ポイントとしては、一般的な公務員試験と異なり、民法や経済学といった専門試験がなく、教養試験のみで受験ができる点です’。
もともとの学力にもよりますが、大学生・大卒の人なら半年程度勉強すれば合格できる可能性は高いと言えます。
私も統一採用試験から採用されましたが、筆記試験は1日2時間(土日は4時間)程度の勉強を半年続けることで通過できました!
「5. 国立大学職員・公務員試験の筆記試験対策には通信講座のアガルートがおすすめ!」でも詳しく解説しますが、通信講座のアガルートであれば144.5時間ですべてのカリキュラムを終えることができるので、効率的に勉強できます。
国家公務員や地方公務員の場合は、一部の市役所などを除いて、教養試験に加えて憲法や民法、経済学などの専門試験を受験する必要があります。
教養試験の内容は高校までの知識で十分対応可能ですが、専門試験は大学の学部で学ぶような知識も必要になります。そのため、専門試験が課される公務員試験は法学部や経済学部が有利だと言われています。
少ない労力で公務員(もしくは公務員並み)の待遇を得たいのであれば、教養試験のみで受験できる市役所職員や国立大学職員を検討してみてはいかがでしょうか。
2-7. 【転職サイト等による求人】国立大学職員は転職サイトでの求人も豊富!国家公務員と地方公務員は増えてきているがまだまだ少ない
国立大学職員は毎年7月に行われる職員採用統一試験のほか、転職サイトや大学のホームページで中途採用の求人を出していることがあります。
これらは大学の独自採用試験となり、統一採用試験における30歳という年齢制限が緩和されていたり、筆記試験がなく書類選考と面接のみで採用が決まったりするなど、統一採用試験にはないメリットがあります。
例えば、マイナビ転職では新潟大学が「35歳以下・適性検査のみ」、大阪教育大学が「35歳以下・筆記試験なし」で求人を出していました。
近年は公務員の転職サイトでの求人募集も増えてきましたが、国立大学職員と比較するとまだまだ少ないのが現状です。
国家公務員・地方公務員ともにほとんどの職種・自治体では30歳が年齢制限となっていますので、30代で転職を考えている人は国立大学職員を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
3. 国立大学職員・国家公務員・地方公務員どっちがおすすめ?向いているのはこんな人!
ほぼ同じ勉強の対策でいいこともあるため、併願したときに、国立大学職員と公務員のどっちも受かることもあります。
自分にはどっちの仕事の方が向いているのかも気になりますよね。
この章では、どっちがおすすめなのか向いている人について解説していきます。
- 国立大学職員がおすすめな人
- 国家公務員がおすすめな人
- 地方公務員がおすすめな人
あなたに合っている職場を選べるようにするためにも、それぞれの仕事について、おすすめな人を順番に確認していきましょう。
3-1. 国立大学職員がおすすめな人
国立大学職員がおすすめな人の特徴は以下のとおりです。
- 大学のキャンパスや環境に魅力を感じている
- コスパ良く公務員並みの待遇の仕事に就きたい
- 災害時の招集や地域行事の参加はNG
大学のキャンパスや環境に魅力を感じている
大学のキャンパスや雰囲気が好きという人は多いと思います。私もそのひとりです。
私立大学のようにピカピカで新しい建物は少ないですが、国立大学の建物は古くても趣があります。有名な東京大学の安田講堂は国の登録有形文化財にも指定されています。
また、大学には安くて美味しい食堂や体育館、トレーニングジムなども備わっています。職員同士や教員・学生を交えてレクリエーションやスポーツをする機会もあるので、そのような活動をしたい人にはピッタリです。
大学生と同じ空間で働くことで、元気と活力、若さ(笑)をもらうことができます。これは、公務員にはない大学職員だけの大きなメリットです。
コスパ良く公務員並みの待遇の仕事に就きたい
国立大学職員の筆記試験は教養試験のみであり、公務員試験のように憲法や民法、経済学といった専門試験を受ける必要はありません。
そのため、勉強すべき範囲は公務員試験と比較してかなり少ないです。民間企業の就職活動と並行しての勉強や、または働きながらの勉強でも、合格は十分可能です。
私も正社員として働きながらの勉強で合格できました!
また、国立大学職員であれば転職サイトや転職エージェントを経由した独自試験により、筆記試験を課さない採用を行う場合があります。しかも、独自試験では年齢条件が緩和されていることが多いので、30歳を超えてしまった人でも受験することができます。
ここまで説明してきたように、国立大学職員は年収や待遇、社会的信用といった面で公務員と遜色はありません。
「公務員になりたいけれど、勉強や試験対策に時間をかけられない!」という人には、コスパ良く公務員並みの待遇の仕事に就ける国立大学職員がおすすめです。
災害時の招集や地域行事の参加はNG
「2-3. 【災害時の招集】国立大学職員は招集はないが、国家公務員と地方公務員は招集がある」や「2-4.【地域行事への参加】国立大学職員と国家公務員は参加しなくてよいが、地方公務員は参加が半強制のことも」で解説しましたが、公務員は全体の奉仕者であるため、災害対応や地域住民との交流も大事な仕事のひとつです。
私は災害時に出勤することも休日に地域の行事に参加することもしたくなかったので、国立大学職員を選びました。
公務員並の待遇が欲しいけれどプライベートも大事にしたい人には、国立大学職員がおすすめです。
3-2. 国家公務員がおすすめな人
国家公務員がおすすめな人の特徴は以下のとおりです。
- 国のために働きたいという思いが強い
- 体力に自信がある
- ひとつの仕事を極めたい
国のために働きたいという思いが強い
国家公務員として本府省で働くことになった場合、さまざまな政策の立案や実行に携わることができます。
当然、国としての政策なので、関わる人の多さや予算規模の大きさ、日本の将来に与えるインパクトは、国立大学職員や地方公務員の仕事の比ではありません。
地方出先機関で働く場合は政策立案に携わる機会は少ないですが、地方での政策実行の実務を担う、重要な仕事です。
「日本という国を良くしたい」「日本のために働きたい」という思いが強い人は、国家公務員がおすすめです。
体力に自信がある
国家公務員で本府省に勤めることになった場合、国会期間中は議員対応などで毎日夜遅くまで働くことを覚悟しなければなりません。
最近は国家公務員の働き方改革も進んできているようですが、それでも国立大学職員や地方公務員よりは体力的にハードだと言えるでしょう。
体力に自信のある人は、国家公務員はおすすめです。と言うよりも、ある程度体力に自信がなければ国家公務員として本府省で働くことは難しいでしょう。
ひとつの仕事を極めたい
国家公務員は内定を得た官庁でずっと働くことになるので、ひとつのことを極めたいと思っている人におすすめです。
例えば、農業が好きなら農林水産省、国際的な仕事がしたいなら外務省といったように、自分の「好き」や「やりたい」を仕事にすることができます。
そして、省庁間での人事異動はないので、一生をかけてひとつの仕事を極めることができます。
この点が、定期的に異動があり、部署が変われば仕事もまったく変わる国立大学職員や地方公務員との大きな違いであると言えます。
3-3. 地方公務員がおすすめな人
地方公務員がおすすめな人の特徴は以下のとおりです。
- 地域のために働きたいという思いが強い
- ストレス耐性が高い
- さまざまな部署で幅広く仕事がしたい
地域のために働きたいという思いが強い
地方公務員として働くということは、その地域の発展のために力を尽くすということです。
街の再開発や大型施設の整備といった、規模の大きいプロジェクトに関わるときは大変ですが、「自分の住む地域をもっと良くしたい」という思いが強ければ難なく乗り越えられるでしょう。
「自分の生まれ育った街が好き」「地方から日本をもっと良くしていきたい」といった思いを持つ人にはおすすめです。
ストレス耐性が高い
特に市役所や町役場で働く場合、時には話の通じないレベルの人とも対話をする必要があります。
また、市役所で働く知人は窓口で「お前ら公務員のくせに」や「税金から給料をもらっているんだろ」といったセリフを言われたこともあるそうです。
公務員の職場がすべてストレスフルというわけではありませんが、ときには高いストレス耐性が必要になります。
ストレス耐性が高い人は、公務員としてどの部署でも活躍できるでしょう。
さまざまな部署で幅広く仕事がしたい
地方公務員は2~3年おきに異動があり、部署が変わると仕事の内容も全く変わります。
例えば、3月まで住民票の発行業務をしていた人が、4月1日から生活保護のケースワーカーとして働くといったようなことも当然のようにあります。
専門性が身につかないというデメリットはありますが、さまざまな部署で幅広く仕事がしたい人や、具体的に公務員としてどんな仕事がしたいのかはっきり決まっていない人は、いろいろな仕事にチャレンジできる地方公務員がおすすめです。
4. 国立大学職員と公務員を併願するときのポイント
この記事では、国立大学職員と公務員は、どっちに絞らず併願すべきだと説明してきました。
この章では、国立大学職員と公務員を併願するときのポイントを解説していきます。
基本的には、以下のように併願することをおすすめします。
具体的なポイントとしては、以下の4つです。
- 筆記試験の倍率はどっちも2〜3倍程度だからそれほど難しくない
- 専門試験の勉強もしている場合は国立大学・国家公務員・地方公務員の全てを受ける
- 教養のみ勉強している場合は国立大学職員と市役所等を受ける
- 面接対策は重要!特に志望動機はきっちりと練る
ひとつずつ解説しますね。
4-1. 筆記試験の倍率はどっちも2〜3倍程度だからそれほど難しくない
国立大学職員・国家公務員・地方公務員のいずれも、筆記試験の倍率はおおむね2~3倍程度となっているため、筆記試験を突破するのは実はそれほど難しくありません。
国立大学職員と国家公務員の筆記試験における地域別の倍率を表にしてみましたので、以下をご覧ください。
※各国立大学法人等採用試験事務室が発表している令和3年度試験の結果より引用(試験区分「事務」のみ)
※人事院ホームページの2021年度試験実施状況より作成
一番右の列「倍率(受験者ベース)」を見ると、国立大学職員も国家公務員も、関東甲信越地区や近畿地区での倍率が比較的高く、北海道地区や中国・四国地区での倍率が比較的低いことがわかります。
それでもたいていの地区で倍率は2~3倍程度であり、特に国立大学職員は教養試験のみで受験可能であるため記念受験の人も相当数含まれることを考えると、筆記試験に合格することはそれほど難しくありません。
なお、資格の学校TACのWEBサイトでは都道府県庁や政令指定都市の筆記試験の倍率を一覧で見ることができますが、こちらもたいていの自治体で倍率は2~3倍程度となっています。
以上のように、国立大学職員・国家公務員・地方公務員のいずれも筆記試験の倍率は高くありませんので、「自分はどんな仕事がしたいのか」という観点から進路を決めてみてください。
4-2. 専門試験の勉強もしている場合は国立大学・国家公務員・地方公務員の全てを受ける
国家一般職と地方公務員の上級試験はともに6月に行われる一方で、国立大学職員の試験は7月に行われます。
2022年の日程
国家一般職:試験日6/12(日)、合格発表7/6(水)
地方上級:試験日6/19(日)、合格発表7月上旬〜中旬
国立大学職員:試験日7/3(日)、合格発表7/21(木)
ただし、国家一般職と地方上級試験の筆記の合格発表は国立大学職員の試験よりも遅いため、たとえ公務員が第一志望だとしても、国立大学職員の試験にもとりあえず申し込みと受験をしておいて損はないでしょう。
試験は何が起こるかわかりませんので、チャンスは多い方が良いです。せっかく勉強をしてきたのですから、受けられる試験は全部受けるようにしましょう。
4-3. 教養のみ勉強している場合は国立大学職員と市役所等を受ける
教養試験のみを勉強してきた人は、国立大学職員のほかに、教養試験のみで受けられる市役所等を併願するようにしましょう。
東京都では東村山市や武蔵野市、愛知では豊橋市や一宮市、大阪では吹田市や泉大津市などが教養試験のみで受験することができます。
LEC東京リーガルマインドのWEBサイトでは教養試験のみで受験できる全国の市役所を検索することができるので、参考にしてみましょう。
4-4. 面接対策は重要!特に志望動機はきっちりと練る
複数の職種を受験するときにやってしまいがちなのが、筆記試験対策にばかり力を入れてしまい、志望動機や自己分析をおろそかにしてしまうということです。
志望動機は「地域に根ざした仕事がしたいと思った」「学生のサポートを通じて社会に貢献したいと思った」といったようなありきたりなものでよいのですが、重要なのは志望動機に如何にあなた自身の思いや考え、体験してきたことを結びつけられるかどうかということです。
複数の職種を受ける場合は特にこの部分がぶれてしまいやすいので、志望動機はきっちりと練って面接に挑むようにしましょう。
大学職員の面接対策についてもっと深く知りたい人は、以下の記事にも目を通してみてください。
5. 国立大学職員・公務員試験の筆記試験対策には通信講座がおすすめ!
国立大学職員・国家公務員・地方公務員の筆記試験は独学でも十分合格することは可能です。ただし、予備校や通信講座を利用した方がより効率的・網羅的に勉強できるため、合格する可能性はグッと高まります。
筆者は独学で半年ほど勉強してなんとか合格することができましたが、もしもう一度試験を受けるならば、通信講座を使って勉強します。
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アガルート | スタディング | |
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118,800円 | 費用 | 66,000円 |
約144時間 | 講義時間 | 約74時間 |
あり | 模擬面接 | なし |
あり | 講師への質問 | なし |
受講費用の全額返金など | 合格特典 | お祝い金1万円 |
合格の可能性をできるだけ上げたい人、初めて公務員試験に挑戦する人 | おすすめな人 | コスパ重視の人、オンライン学習に抵抗がない人 |
アガルート公式 | 公式ページ | スタディング公式 |
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6.まとめ
国立大学職員と公務員のどっちかだけに絞らずに、併願しましょう。
- 国立大学職員と公務員は、試験の流れや形式が似ているから
- 国立大学職員と公務員は、年収や待遇にほとんど差はないから
- 絶対に試験に受かる保証はないので、持ち駒はできるだけ増やしておくべきだから
国立大学職員と公務員には、以下の表のような違いや特徴があります。
国立大学職員はみなし公務員であるため公務員としての身分は有しないものの、年収や待遇、社会的信用といった面では公務員と遜色はありません。
国立大学職員・国家公務員・地方公務員のそれぞれの仕事について、おすすめな人は次のとおりとなります。
- 大学のキャンパスや環境に魅力を感じている
- コスパ良く公務員並みの待遇の仕事に就きたい
- 災害時の招集や地域行事の参加はNG
- 国のために働きたいという思いが強い
- 体力に自信がある
- ひとつの仕事を極めたい
- 地域のために働きたいという思いが強い
- ストレス耐性が高い
- さまざまな部署で幅広く仕事がしたい
国立大学職員と公務員を併願するときには、以下の4つのポイントに気をつけましょう。
- 筆記試験の倍率はどっちも2〜3倍程度だからそれほど難しくない
- 専門試験の勉強もしている場合は国立大学・国家公務員・地方公務員の全てを受ける
- 教養のみ勉強している場合は国立大学職員と市役所等を受ける
- 面接対策は重要!特に志望動機はきっちりと練る
あなたが進路を決定するとき、この記事が役に立つことを願っています。