「国立大学職員はホワイトって聞くけど実際はどうなの?」
「ホワイトなところだけじゃなく、ブラックなところも知りたい!」
「私は国立大学職員に向いているのか知りたい!」
このように考えている方は多いですよね。
確かに、国立大学職員の仕事と言っても、ほとんどの方がイメージするのは学生窓口の仕事だと思います。
ほかにどのような仕事があって、どんな働き方をしているのかは気になるところですよね。
結論から言うと、国立大学職員はホワイトな面もブラックな面も両方ありますが、安定志向の人にとってはホワイトであると断言できます。
なぜなら、基本的に給与は年功序列で昇給し、土日祝は休みで、公務員でありがちな災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がないからです。
具体的に、国立大学職員のホワイトな点は、以下の10個です。
- 労働時間が民間企業と比べて短い
- 残業は少なめ、サービス残業はなし
- 土日祝日にしっかり休める
- 年収は民間企業の平均よりも上
- 年功序列で昇給するので、出世競争がない
- 転勤がほぼない
- 女性が働きやすい環境
- 社会的信用が高い
- 敷地内に体育館や図書館がある
- 公務員と違い、災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
一方で、ブラックなところも気になるかと思います。以下の4個が、国立大学職員のブラックな点です。
- 年功序列だから若いうちは給与が少ない
- 仕事を頑張っても出世や昇給に反映されにくい
- リモートワークは当面、期待できない
- 入試時期には休日出勤がある
これらホワイトな点・ブラックな点を踏まえた上で本記事では、元国立大学職員である筆者が、どのような人が国立大学職員に向いていて、どのような人が向いていないのかということを解説します。
この記事を最後まで読んでいただくことで、自分が国立大学職員に向いているかどうかを判断することができるようになります。
国立大学職員への就職・転職を考えている人は、ぜひ最後までじっくり読んでみてくださいね。
1. 国立大学職員のホワイトなところ10選【働くメリット】
まずは、私が国立大学職員の待遇や福利厚生でホワイトだと思うところを「10個」紹介していきます。
- 労働時間が民間企業と比べて短い
- 残業は少なめ、サービス残業はなし
- 土日祝日にしっかり休める
- 年収は民間企業の平均よりも上
- 年功序列で昇給するので、出世競争がない
- 転勤がほぼない
- 女性が働きやすい環境
- 社会的信用が高い
- 敷地内に体育館や図書館がある
- 公務員と違い、災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
これらのことをメリットだと感じられる人は、国立大学職員に向いていると言えるでしょう。
以下でひとつずつ解説していきますね。
1-1. 労働時間が民間企業と比べて短い
近畿地区国立大学法人等職員統一採用試験事務室のホームページによると、国立大学職員の勤務時間は以下のようになっています。
【勤務時間】
勤務時間は、原則として1日7時間45分(週38時間45分)です。
採用機関・部署により交替制勤務やフレックスタイム制などを導入している場合があります。
勤務時間については、公務員と同じで1日7時間45分となっています。
ほとんどの国立大学では8時30分に業務を開始し、12時から13時まで1時間の休憩をとり、17時15分に終業します。
中には、休憩を45分とし17時に終業する大学もあるようです。
民間企業の勤務時間は8時間の場合が多いので、1日あたり15分、1ヶ月で約300分(5時間)、1年で約3,600分(60時間)国立大学職員の方が労働時間が少ないことになります。
「塵も積もれば山となる」ということわざもあります。1日で見れば15分の差でも、月単位、年単位で見ると大きな差になりますよね。
労働時間が大半の民間企業と比べて短いことは、国立大学職員のメリットと言えます。
1-2. 残業は少なめ、サービス残業はなし
国立大学職員と言えば、一昔前の公務員のように、定時になるとみんな一斉にタイムカードを押して帰宅するイメージを持っている人も少なくないと思います。
実際は、国立大学職員の仕事にも普通に残業はあります。ただし、民間企業の平均よりは少ないです。
その人の能力や配属先の環境にもよりますが、私の在籍していた大学では、平均して1ヶ月あたり10時間〜20時間の残業がありました。
また、名古屋大学と岐阜大学が統合して誕生した東海国立大学機構の職員募集要項によると、残業時間は月平均10時間程度とのこと。
民間企業のオープンワークが実施した日本の残業時間に関する調査によると、日本人の平均的な残業時間は23時間〜25時間だそうです。
ノルマや売り上げ目標などがない分、民間企業よりは残業をしなくて良い環境と言えますが、毎日定時に帰るためには、仕事の効率化など本人の工夫が必要になってきます。
また、国立大学職員の仕事はどちらかと言えば個人主義で、自分のやるべき仕事がある程度決まっています。
したがって、自分の仕事さえ終わらせれば、定時で帰ろうが文句を行ってくる人はいませんでした。
なお、残業代は全額出ますので、私や私の周りではサービス残業はありませんでした。
1-3. 土日祝日にきっちり休める
勤務時間と同様に、休日についても、公務員とほぼ同じ制度となっています。
【休日】
土・日(完全週休2日制)、祝日、年末年始(12/29~1/3)
上記に加えて、3日程度の夏季休暇があります。年間休日で言うと、125日程度です。
私立大学職員の場合は土曜日に出勤しなければならないこともあり、年間休日が120日を切ることも珍しくないため、土日祝日にきっちり休めるのは国立大学職員のメリットです。
また、有給休暇は20日あり、自分の仕事をきっちりやってさえいれば、有給休暇は比較的好きなタイミングで取ることができます。例えば、前日に有給休暇を申請したとしても、すんなりと取得することができます。
趣味に打ち込みたい人や家族との時間を大切にしたい人にとっては、休みが多いというのは大きなメリットとなります。
1-4. 年収は民間企業の平均よりも上
実は、国立大学職員の年収は文部科学省のホームページで公開されています。
会社員の年収データは、国税庁の民間給与実態統計調査として公開されていますので、両者を比較してみましょう。
民間給与のデータは東京の一流企業勤務の会社員から地方の中小企業勤務の会社員まで含まれていますので、地方の中核都市にある九州大学と比較します。
九州大学の給与と民間給与(男女計及び男性のみ)を年齢別に比較したものが次の表です。
男女計との比較ではすべての年齢において九州大学が上回っている一方で、男性のみとの比較では民間給与の方が高い傾向にあります。
ただし、九州大学の年収には扶養手当や住宅手当、超過勤務手当などの各種手当は含まれていません。
一方で、民間給与には労働者の受け取るあらゆる手当が含まれています。
したがって、実際に受け取る年収は、九州大学と民間給与(男性のみ)でほとんど差がないと言えます。
もちろん、九州大学のモデル年収には女性も含まれています。
以上のことから、国立大学職員という仕事は、民間給与の平均よりも年収が高く、女性も男性会社員とほとんど変わらない年収を得ることができる仕事だと言えますね。
国立大学職員の年収についてさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
1-5. 年功序列で昇給するので、出世競争がない
国立大学職員が全員、前項のような年収をもらっているかどうかは、気になるところですよね。
結論から言うと、一部の例外を除き、ほとんど全員がこれくらいの年収をもらっています。
国立大学職員は公務員と同様に年功序列の世界なので、基本的には勤続年数を重ねるごとに昇給があります。
一部の例外というのは、例えば以下のような場合です。
大学卒業後、ニートをしていて30歳で国立大学職員になった場合
- 職歴がないため、おそらく新卒者に近い給与からのスタートになります。
入職後うつ病になり、長期間の休職を繰り返した場合
- 休職期間分の昇給が抑えられることがあります。
大きな昇給や高い給与を望むことは難しいですが、年功序列で昇給するため、国立大学職員はライフプランの立てやすい職業と言えるでしょう。
また、同期入社の人たちと出世競争をすることもありません。そのおかげで、人間関係も円滑になりやすいです。
1-6. 転勤がほぼない
国立大学職員の異動は、基本的に採用された大学内でのみ行われます。そのため、転勤はほとんどありません。
他大学に異動する可能性もゼロではありませんが、通常は通勤可能な範囲にある大学への異動であり、転居を伴う異動はまずありません。
一方、希望者は文部科学省やその関係機関に1~2年間の研修という形で出向することができます。
その場合、研修終了後はそのまま文部科学省やその関係機関に残ったり、遠方の他大学に管理職候補として異動したりと、キャリアアップの道を歩むこともできます。
地元に残って安定した生活を送るか、文部科学省などに出向してキャリアアップの道を歩むか、どちらも選択できるのは国立大学職員の良い点だと言えます。
1-7. 女性が働きやすい環境
国立大学職員は公務員と同様に、以下のような制度が整備されており、女性が働きやすい職場だと言えます。
- 育児休暇は3年まで取得可能
- 育児休暇から復帰後も、時短勤務を行うことが可能
- 女性も課長等の管理職になることが可能
私は育児休暇は1年しか取りませんでしたが、周りは2年近く取得する人がほとんどでした。また、そのことに関して文句を言う男性はまったくいませんでした。
結婚しても退職する女性は少なく、ほとんどの人が共働きを選択します。
ちなみに、職員同士で結婚すると、世帯年収は30代後半で1,000万円を軽く超えてきます。
地方であればかなり余裕のある暮らしができるでしょう。
1-8. 社会的信用が高い
一般的に、国立大学職員は公務員と同じであるとみなされているため(実際には公務員としての身分は有さないのですが…)、社会的信用はとても高いです。
それがどのようなメリットにつながるかと言うと、金融機関からローンを借りるときに、かなりの低金利で借りることができます。
住宅ローンは全体の借入額が大きいため、金利が数パーセント違うだけでも、生涯の支払額は何百万円単位で変わってきます。
国立大学職員であれば、銀行の最低金利に近い数字で借りることも可能です。
そのため、私の周りでも20代で家を建てる人は多かったです。
前述したように転勤もありませんし、早めに「夢のマイホーム」を持ちたい人にはおすすめです。
1-9. 敷地内に体育館や図書館がある
これは大学ならではのメリットと言えますが、学生が使う体育館や図書館を、職員も無料で使うことができます。
体育館にジムやプールが併設されていれば、わざわざトレーニングジムに通う必要もありません。
私の同僚には昼休みに学生と体育館でフットサルをしている人もいました。
1-10. 公務員と違い、災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
気づいている人もいるかと思いますが、ここまで挙げてきたホワイトな点のほとんどは、実は公務員にもあてはまります。
では、公務員と比較したときの国立大学職員のホワイトな点は何でしょうか。
私は、災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がないことだと思います。
公務員の場合、災害時には災害対策本部が役所に設置され、何日も家に帰れない場合もあると聞きます。
また、地方公務員であれば地域の行事には(特に若手は)半強制的に参加しなければなりません。
プライベートの時間を大切にしたい人にとっては、これは大きなデメリットです。
国立大学職員であれば、災害時に自分の家族を置いて仕事に行かなくてもよいですし、プライベートを犠牲にしてまで地域の行事に参加する必要もありません。
2. 国立大学職員でブラックなところ4選【デメリット】
ここまで国立大学職員のホワイトな面を見てきました。
しかし、国立大学職員の仕事も当然良いところばかりではなく、デメリットも存在します。
この章では、国立大学職員の仕事で、人によっては「ブラック」と感じるところを「4個」紹介していきます。
- 年功序列だから若いうちは給与が少ない
- 仕事を頑張っても出世や昇給に反映されにくい
- リモートワークは当面、期待できない
- 入試時期には休日出勤がある
1つ目と2つ目は、ホワイトな点で挙げた「年功序列」の悪い面だと言えます。
3つ目と4つ目は、大学独自の制度や仕事の進め方が関係しています。
国立大学職員を目指そうと考えている人こそ、特にじっくり読んでみてください。
2-1. 年功序列だから若いうちは給与が少ない
前の章では年功序列で昇給することをメリットとして紹介しましたが、年功序列は人によってはデメリットになりえます。
具体的には、若いうちからガンガン稼ぎたい人や、最近流行っている早期リタイアを目指す人にはデメリットになるでしょう。
なぜなら、年功序列で昇給するということは、裏を返せば若いうちは給与が少なく、40代・50代になってからようやく満足のできる給与をもらえるということだからです。
とはいえ、公務員や日系の民間企業のほとんどは年功序列の給与制度になっています。
そのような給与制度が嫌な人は、実力主義の外資系企業やベンチャー企業を目指す方が良いでしょう。
2-2. 仕事を頑張っても出世や昇給に反映されにくい
国立大学職員という仕事は、頑張りが出世や昇給に反映されにくい仕事です。
なぜなら、国立大学職員の主な仕事は「事務」だからです。
営業であれば「売り上げの大きさ」、研究開発職であれば「開発した製品」といったもので仕事の頑張りが評価されます。
しかし、事務の仕事は営業や研究開発のように、客観的に評価を行うことは難しいと言えます。
なぜなら事務の仕事は、少々乱暴に言ってしまうと、「誰にでもできる仕事」だからです。
例えば、文部科学省に提出する報告書を作る仕事では、誰が作ったとしても報告書の内容はそう大きく変わりませんし、財務諸表の数字も誰が作ったとしても変わりませんよね。
それならば効率的に仕事をし、早く終わらせられる人の方が高い評価を得られてもいいようなものですが、実際にはダラダラと非効率な仕事をしている人の方が「毎日遅くまで頑張っていた」として高い評価を得られがちなのが、国立大学職員です。
「自分にしかできない仕事をしたい」「仕事をバリバリ頑張りたい」という人にはあまり向きません。
2-3. リモートワークは当面、期待できない
昨今の働き方改革の流れの中で、多くの企業がリモートワークを取り入れています。
国立大学職員はというと、リモートワークを取り入れようとはしていますが、あまり進んでいないのが現状です。
私は以下の2つの理由から、国立大学でリモートワークが主流になるのはまだまだ先だと思っています。
- 国立大学では紙文化が根強いため
- 学務や施設管理など、そもそもリモートワークが適さない職種も多いため
国立大学では紙文化が根強いため
取引先からの請求書や学生に提出してもらう書類などは、まだまだ紙の書類が多いです。電子の書類であれば家のPCからでも確認できますが、紙の書類は出勤して確認する必要があります。
学務や施設管理など、そもそもリモートワークが適さない職種も多いため
学務は学生の問い合わせの窓口となる仕事ですし、施設管理は実際の施設の状態を確認する必要もあるでしょう。これらの部署に勤務する場合、リモートワークをすることは難しいと言えます。
とはいえ、財務や人事など、国立大学には比較的リモートワークに適した部署もあります。
部署によっては今後リモートワークがメインになる可能性もありますが、当面は難しいことはデメリットと言えますね。
2-4. 入試時期には休日出勤がある
基本的に休日出勤のない国立大学職員ですが、1年のうちにどうしても休日出勤をしなければならない時期があります。
それは、大学入学共通テストや各大学の二次試験が行われる、1月〜3月です。
毎年1回もしくは2回、入試の支援要因として回答用紙の枚数確認や会場周辺の見回りなどを行う必要があります。(試験監督は通常、教員が行います)
仕事自体は難しいものではありませんが、ミスをすると全国ニュースにもなりかねないというプレッシャーから、非常に疲れます。
これを毎年必ずこなさなければいけないということは、デメリットだと言えます。
3. 国立大学職員の仕事の特徴
ここまで解説したように、国立大学職員はホワイトな面とブラックな面があります。
この章では、国立大学職員は具体的にどのような仕事を、そのようなやり方で進めているのかを解説していきます。
3-1. 仕事の種類
国立大学職員の仕事と言えば、ほとんどの方は学生窓口の仕事を想像すると思います。
しかしながら、国立大学職員には、実にさまざまな仕事があります。
大きく事務系・図書系・病院系・技術系の4つに分かれていますが、異動によりこれまでと全く違う仕事を行うこともあります。例えば学務係から、施設の入札を行う係に配属されることもあります。
以下が、国立大学職員の仕事の一例です。
【事務系】
- 総務・人事
- 会議や式典の開催、規則の制定、教職員採用、給与計算、研修の企画 等
- 財務・会計
- 予算の立案・要求・配分・管理、決算及び財務諸表の作成、資金の管理運用、資産の取得・管理、物品購入・契約 等
- 教務学生
- カリキュラムの編成、履修手続き及び修学指導、学生の生活指導・相談、奨学金申請、入学試験の実施 等
- 研究協力
- 産学連携の企画・立案、民間企業との共同・受託研究等の手続き、知的財産の管理・活用 等
- 国際交流
- 海外の大学・研究機関等との学術交流、外国人研究者・留学生の修学・生活支援、学生の海外留学派遣 等
【図書系】
- 図書
- 図書の選定・発注・受入、図書の貸出・返却、図書館広報、各種データベースサービスの運用 等
【病院系】
- 病院事務
- 患者対応、診療費の計算・徴収、診療情報の管理、病院の経営分析 等
【技術系】
- 施設系技術
- 施設整備計画の立案、工事の設計・積算・入札・工事管理、施設の保守点検・運転監視 等
- 教室系技術
- 実験環境の構築・維持管理、実習・実験の技術的指導、データ計測・解析 等
これらの仕事のほとんどに共通して言えることは、以下の2つです。
- 仕事は自分のデスクで、パソコンに向かって行う
- コミュニケーション能力は必須
ひとつずつ解説していきます。
3-2. 仕事は自分のデスクで、パソコンに向かって行う
なんとなく想像はつくかもしれませんが、技術系職員などの一部を除いて、基本的に仕事は自分のデスクで、パソコンに向かって行います。
具体的には、ExcelやWordなどのOfficeソフトのほか、大学で導入している各種システム(財務会計システム、学務情報システム、人事給与システムなど)を操作することになります。
たいていの仕事にはマニュアルがあり、難しいものではありません。
ただし、Officeソフトの使い方やタイピングといった、最低限のパソコンスキルは備えていた方が良いでしょう。
3-3. コミュニケーション能力は必須
大学は学生をはじめ、教員、事務、出入りの取引業者、文部科学省、同窓会、地域住民など、さまざまな立場のステークホルダーが存在する組織です。
したがって、国立大学職員として仕事をこなしていくには、コミュニケーション能力は必須と言ってよいでしょう。
なお、ここで言う「コミュニケーション能力」とは、営業スキルや、初対面の人とすぐに打ち解けられるようなスキルではありません。
私は、国立大学職員として必要なコミュニケーション能力とは、以下のようなものだと考えています。
複雑な制度や大学のルールを、相手に分かりやすく伝えるスキル
例えば、奨学金制度を学生に説明するとき、複雑な制度を学生にもわかりやすく説明する必要があります。
また、上司や教員に意見するときには、大学のルール等を根拠とし、自分の意見を分かりやすく伝えなければなりません。
国立大学職員は人と人との間で調整や説明を行うことが非常に多いため、このスキルが高ければ高いほど「仕事ができる人」になることができます。
人間関係に波風を立てないスキル
教員はともかく、職員は退職や転勤を伴う異動がほとんどありません。
そのため、職員同士で人間関係が悪くなってしまうと、職場環境に大きな悪影響を及ぼします。
したがって、初対面の人と打ち解けられるスキルよりも、上司や同僚との間に波風を立てず、うまく付き合っていくようなスキルが求められるでしょう。
1つ目は訓練により身につけることができ、2つ目はそう難しいスキルではありません。
国立大学職員として仕事をすることになったときには、この2つはぜひ身につけてみてください。
4. 国立大学職員に向いている人・向いていない人
ここまでに解説してきた、国立大学職員のホワイトな点とブラックな点、そして仕事の特徴を踏まえて、向いている人と向いていない人を解説します。
4-1. 向いている人
大学職員に向いている人は以下の通りです。
パソコン作業が苦にならない
国立大学職員の仕事の大半は、パソコンに向かうことになります。
特に、ExcelやWordなどのOfficeソフトを使わない日はないと言ってよいでしょう。パソコンに向かって作業を行うことが好きな人・苦にならない人は向いています。
年功序列の給与体系を希望している
公務員と同様に、国立大学職員は年功序列の給与体系になっています。
若いうちは年収は高い方ではありませんが、年齢とともに徐々に昇給し、50歳では都市圏の大学では800〜900万円、地方大学でも700〜800万円程度の年収は期待できます。
勉強はあまり得意でないが、公務員と同じ待遇で働きたい
通常、公務員試験は教養科目と専門科目で実施されますが、国立大学職員試験は教養科目のみで実施されます。
そのため、勉強が苦手な人や勉強の時間が取れない人でも比較的チャレンジしやすいです。国立大学職員は厳密には公務員ではありませんが、待遇・福利厚生は公務員とほとんど変わりません。
プライベートを充実させたい
国立大学職員の仕事は自分のペースで進めることができ、残業は人によりますが少なめです。
また、土日祝日は休みで有給休暇もしっかり取得することができますので、趣味に打ち込みたい人や、家族との時間を大切にしたい人にはうってつけです。
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4-2. 向いていない人
反対に国立大学職員に向いていない人は以下の通りです。
お金をたくさん稼ぎたい
若手国立大学職員の年収は低く、年齢を重ねてからも年収は同世代の平均~少し上くらいです。
お金を稼ぎたい人は、日系大手企業や、実力主義の外資系企業やベンチャー企業に就職した方が良いでしょう。
他人とのコミュニケーションが苦手
国立大学職員の主な仕事のひとつに、「人と人との間で調整や説明を行うこと」があります。自席でパソコンを操作するだけの仕事がしたい人は、あまり向いていません。
プライドが高い
教員と職員は同じ大学の構成員であり、その立場に優劣はないこととなっていますが、やはり実際には教員のほうが大きな権力を持っています。
一部ですが、明らかに事務を見下したような態度を取る教員もいるため、そのような扱いに耐えられない、プライドの高い人には向いていません。
手に職をつけたい
国立大学職員の仕事は、ハッキリ言ってスキルが身につかない仕事です。
パソコンを使ったルーティンワークや会議のスケジュール調整など、言ってしまえば「誰にでもできる仕事」が多いからです。
そのため、国立大学職員からの転職や独立は困難であると言えます。
5. 筆者の場合はどうだったのか?
筆者は国立大学職員として就職する前、民間企業で2年間ほど事務の仕事をしていました。
そんな筆者が、民間企業と国立大学を比べて感じたことを率直にお伝えします。
5-1. 民間企業と比較して良かった点
具体的には、この2点が良かったなと感じています。
- 仕事が体力的・精神的に楽だったこと
- 休みが多く、有休も気楽に取れること
仕事が体力的・精神的に楽だったこと
民間企業では業績や数字に負われて体力的・精神的にかなりしんどい時期もあったのですが、大学ではノルマがないため自分のペースで働くことができました。
人間関係も良好で、職場環境はかなり良かったと思います。
休みが多く、有休も気楽に取れること
民間企業では休日出勤は当たり前だったのですが、大学に10年以上勤めて、休日出勤をしたことは1回だけでした(入試による休日出勤を除く)。
また、有休も毎年20日を使い切っていました。
5-2. 民間企業と比較して悪かった点
逆に民間企業と比較して悪かった点は1つあります。
- 仕事に裁量権がないこと
民間企業では入社1年目から責任のある仕事を任されていたのですが、大学では規則やマニュアルがしっかり決められており、私の判断で何かを決定することはほぼありませんでした。
何かあった時の責任を負わなくてよいという意味ではいいのですが、大学では仕事のやりがいは正直あまり感じることはできませんでした。
6. まとめ
国立大学職員の仕事は、以下のようにホワイトな点とブラックな点があります。
- 労働時間が民間企業と比べて短い
- 残業は少なめ、サービス残業はなし
- 土日祝日にしっかり休める
- 年収は民間企業の平均よりも上
- 年功序列で昇給するので、出世競争がない
- 転勤がほぼない
- 女性が働きやすい環境
- 社会的信用が高い
- 敷地内に体育館や図書館がある
- 公務員と違い、災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がない
- 年功序列だから若いうちは給与が少ない
- 仕事を頑張っても出世や昇給に反映されにくい
- リモートワークは当面、期待できない
- 入試時期には休日出勤がある
また、国立大学職員の仕事には、以下のような特徴があります。
仕事は自分のデスクで、パソコンに向かって行う
- ExcelやWordなどのOfficeソフトのほか、大学で導入している各種システム(財務会計システム、学務情報システム、人事給与システムなど)を操作します。Officeソフトの使い方やタイピングといった、最低限のパソコンスキルは備えていた方が良いでしょう。
コミュニケーション能力は必須
- 以下の2つのコミュニケーション能力を備えていれば、仕事をスムーズに進められます
- 複雑な制度や大学のルールを、相手に分かりやすく伝えるスキル
- 人間関係に波風を立てないスキル
そして、国立大学職員に向いている人と向いていない人の特徴は、以下のとおりです。
結論としては、国立大学職員の仕事は、公務員を目指すような安定志向の人にとってはホワイトであると言えます。
さらに、筆記試験は教養科目のみであるため比較的学習コストは低く、公務員でありがちな災害時の緊急招集や地域行事への強制参加がありません。
▼勉強方法についての解説はこちらから
安定した就職先を探している人は、国立大学職員をぜひ候補に加えてみてはいかがでしょうか。
▼転職サイト・転職エージェントについての解説はこちらから