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【元国立大学職員が解説】リアルな年収や退職金、私立大学や公務員との比較! 

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「国立大学職員を目指してみたいけど、年収はどれくらいなのか気になる!」

「私立大学職員や公務員と比べると年収は低いって聞くけど、本当?」

 

仕事をする上で給与がどれくらいもらえるかは、とても重要ですよね。

 

民間企業であれば四季報や企業の有価証券報告書、インターネット上の口コミなどからおおよその金額はわかりますが、国立大学職員の生の声はあまりないので、知りたい人も多いと思います。

 

結論から言うと、国立大学職員の年収は以下のとおりであると言えます。

国立大学職員の年収
  • 大学ごとの平均年収やモデル年収は、実は簡単に調べられる。
  • 22歳大卒で300万円、35歳で500万円、50歳で600~700万円程度(諸手当含まず)
  • 諸手当を含むと、22歳大卒で350万円、35歳で600万円、50歳で750~850万円程度貰えそう。
  • 国立大学ごとに年収に差はあるが、その要因は地域手当によるもの。
  • 私立大学職員の年収は、国立大学職員の年収より高い場合もあれば、低い場合もある。
  • 公務員の年収とはほぼ同じ水準。
  • 民間企業の平均年収(男女計)は上回っている。
  • 退職金は2,000万円以上。ただし、今後減額される可能性あり。

 

さらにこの記事では、元・国立大学職員である筆者が、実際にもらっていた年収と退職金を公開します。

 

この記事を最後まで読んでいただくことで、国立大学職員の年収と退職金について、データと実際の体験談に基づいて詳しく知ることができます。

 

国立大学職員を就職先として考えている方や国立大学職員の仕事に興味を持っている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

1. 国立大学職員の年収は文部科学省のHPでわかるが実際はどうなの?

 

実は、国立大学職員の年収は、各国立大学ごとに文部科学省のホームページで公開されています。

独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和2年度)

この資料をもとに、次のことを見ていきましょう。

 

  • 国立大学職員の年収はどれくらいなのか
  • 大学によって年収の違いはあるのか

 

ただし、職員の平均年齢が大学ごとに微妙に異なっているため、単純な平均年収では大学ごとの比較が行いにくいと言えます。

 

そのため今回は、各大学が公表している職員のモデル給与を用いて比較を行います。

 

モデル給与では、22歳、35歳、50歳時点での給与月額と年収(賞与含む)の目安が示されており、大学ごとの比較が行いやすくなっています。

 

地域で比較するため、東京大学(首都圏)、九州大学(地方都市)、愛媛大学(地方)が発表しているモデル給与を以下の「表1:国立大学ごとの比較」でまとめてみました。

 

※地域手当の割合は東京大学九州大学愛媛大学の給与規則より引用

 

この表を見てあなたはどう思いましたか?

「思ったよりも年収が低い」?

「都会と地方でけっこう差がある」?

「地域手当って何」?

「国立大学職員はみんなこれくらいもらっているの」?

 

表だけではわかりにくいこともあるので、ひとつずつ解説していきますね。

 

1-1. 実際の年収は20万円~200万円程度プラスされる

実は、「表1:国立大学ごとの比較」におけるモデル年収は、実情に近い年収ではありません。モデル年収に20万円~200万円程度プラスしたものが実情に近い年収であると言えます。

 

 

なぜかというと、表1のモデル給与には以下のような手当は含まれていません。

  • 扶養手当(配偶者6,500円、子1人につき10,000円)
  • 住宅手当(上限28,000円程度)
  • 超過勤務手当(1,500円~3,500円程度/1時間当)
  • ほか、通勤手当など

 

 

例えば、東京大学の35歳主任が以下のような家族構成・働き方だった場合を考えてみましょう。

  • 配偶者1人、子2人を扶養

( 6,500円 + 10,000円 + 10,000円 ) × 12月 = 318,000円

  • 家賃10万円のマンションに居住

28,000円 × 12月 = 336,000円

  • 毎月20時間程度の残業

超過勤務手当単価:324,920円 ÷ ( 21日勤務 × 8時間 ) ×1.25(時間外割増) ≒  2,418円/時間 

2,418円/時間 × 20時間 × 12月 = 580,320円 

※計算は平易なものを採用しており、実際の算出方法とは異なります。

 

つまり、318,000円 + 336,000円 + 580,320円 = 1,234,320円を「表1:国立大学ごとの比較」における年収とは別に、手当として受け取ることができます。

 

上記の「表1:国立大学ごとの比較」における年収と合計すると、5,421千円 + 1,234千円 = 6,655千円(約666万円)が、このケースにおける実情に近い年収であると言えます。

 

35歳で年収666万円といえば、大手企業のサラリーマンには及びませんが、「これくらい貰えれば十分」という人も多いのではないでしょうか。

 

一流企業勤務の会社員には及びませんが、国税庁の民間給与実態統計調査によると、35歳~39歳の平均給与は495万円ですので、民間の平均は上回っています。

 

もちろん、単身者の場合や、配偶者が正社員として働いていて子供がいない場合は扶養手当は0円ですし、持ち家であれば家賃手当も0円です。

ただし、残業がずっとゼロということはさすがに考えにくいので、毎月5時間程度残業したとすると、最低でも2,418円/時間 × 5時間 × 12月 = 241,800円くらいは「表1:国立大学ごとの比較」における年収にプラスされることになります。

 

 

なお、残業の多い少ないは職場環境やその人の能力に依るところが大きいですが、基本的に国立大学職員の残業代は全額出ますので安心してください。

 

参考に、上記の条件で計算した実情に近い年収として、下記に「表2:実情に近い国立大学ごとの年収」を作成してみました。

 

※配偶者1人・子2人を扶養、家賃手当満額受給、毎月20時間程度残業を行った場合

 

愛媛のような家賃・物価の安い地方では、共働きでなくてもなんとかやっていける収入でしょう。

 

東京や福岡の場合は、実家暮らしか共働きでなければ少し家計が苦しいかもしれませんね。

 

以上のように、各国立大学職員の年収は、実情から少し乖離があるとはいえ公表されています。国立大学への就職を考えている人は志望大学の資料をチェックしてみましょう。

 

1-2. 大学ごとの差は「地域手当」が原因

表1の国立大学ごとの比較と表2の実情に近い年収を見ると、大学ごとの年収の差が気になりますよね。

 

表1における50歳時点の年収では、東京大学と愛媛大学の間には1,235千円(約16.8%)の差があります。

 

実は、この差のほとんどは「地域手当」と呼ばれる手当によるものです。

 

地域手当とは、主に民間賃金の高い地域に勤務する公務員などに支給される手当であり、国立大学職員に対しても公務員とほぼ同じ割合が支給されます。(参考:国家公務員の諸手当の概要

地域手当が20%の場合、例えば月額給与の基本額が20万円だったとすると、20万円 × 0.2 = 4万円が月額給与に加算されるわけです。

 

各国立大学の給与規程などで地域手当の割合を確認できますが、東京大学は19.5%、九州大学は10%、愛媛大学は0%となっています。

 

「表1:国立大学ごとの比較」の月額給与には地域手当を含んでいますので、東京大学と愛媛大学の年収に16.8%程度の差異があったとしても全く不思議ではありません。

 

同じように、九州大学と愛媛大学の50歳時点の年収にも581千円(約8.7%)の差異がありますが、これも地域手当の有無によるところが大きいです。

 

当然、家賃や物価の違いにより東京や福岡の方が愛媛よりも生活費が多くかかりますので、東京大学や九州大学の地域手当の額は妥当なものであると言えます。

 

裏を返せば、地域手当を除くと大学ごとの年収に大きな違いはありませんので、志望大学を決める際に年収の差はそれほど気にしなくてよいということになります。

 

1-3. 年功序列なので全員がこれくらいもらっていると考えてOK

国立大学職員が全員これくらいの年収をもらっているかどうかは、気になるところですよね。

 

結論から言うと、一部の例外を除き、ほとんど全員がこれくらいの年収をもらっています

 

国立大学職員は公務員と同様に年功序列の世界なので、基本的には勤続年数を重ねるごとに昇給があります。

 

一部の例外というのは、例えば以下のような場合です。

大学卒業後、ニートをしていて30歳で国立大学職員になった場合

  • 職歴がないため、おそらく新卒者に近い給与からのスタートになります。

 

入職後うつ病になり、長期間の休職を繰り返した場合

  • 休職期間分の昇給が抑えられることがあります

大きな昇給や高い給与を望むことは難しいですが、年功序列で昇給するため、国立大学職員はライフプランの立てやすい職業と言えるでしょう。

 

2. 国立大学職員の年収を各業種と比較!

ここまで国立大学同士で比較してきましたが、地域手当の有無による違い以外は、ほとんど年収は変わりませんでした。

 

この章では、以下の各業種と年収を比較していきます。

 

  • 私立大学職員
  • 国家公務員(一般職)・地方公務員
  • 民間企業の会社員

 

同じ大学業界で働く私立大学職員、国立大学職員と併願されることの多い国家公務員(一般職)・地方公務員、そして会社員の平均とそれぞれ比較していきます。

 

2-1. 私立大学職員と国立大学職員の年収を比較

同じ大学業界で働く私立大学職員。

 

一般的に年収は国立大学職員よりも高いとされていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

 

結論から言うと、私立大学職員の年収は大学によってかなり幅があります。

 

年収の高い大学は国立大学よりもはるかに高いですが、低い大学は国立大学と同程度か、それ以下のこともあります。

 

私立大学は国立大学とは職員の身分も収益構造も全く違うため、このような違いが生じています。

 

私立大学職員の年収は基本的に公開されていませんが、今回は職員募集要項にモデル年収が記載されていた武庫川女子大学と関西医科大学を比較対象にします。

 

同じ関西圏である、大阪大学と比較してみたのが以下の「表3:国立大学と私立大学の年収比較」です。

 

※武庫川女子大学は各種手当を含むかどうか不明。関西医科大学は各種手当含む。

※大阪大学の数字は令和元年度の給与水準公表資料より。

武庫川女子大学及び関西医科大学の数字は職員募集要項より。

 

大阪大学のモデル年収には扶養手当や住宅手当、超過勤務手当などの各種手当が含まれてないとはいえ、武庫川女子大学の年収の高さが目立ちます。

 

武庫川女子大学の主要学部の偏差値は50前後であり、決して偏差値の高い大学ではありませんが、1万人を超える学生と安定した財務基盤を持つため、職員の年収も高くなっています。

 

逆に、関西医科大学の年収は35歳課長級にしては少し寂しい気がしますね。

 

おそらく、大阪大学の35歳主任の年収に各種手当を加えると関西医科大学の35歳課長の年収を上回ります。給与月額も、大阪大学の方が上回っています。

 

以上のように、同じ大学職員でも、国立大学職員と私立大学職員ではその年収は異なります。

 

一口に私立大学職員と言っても、大学によって年収は大きく異なります。年収を目指して私立大学職員を志望する場合は、転職サイトやエージェントサービスをうまく利用し、志望大学の年収についてよくリサーチしておきましょう。

 

▼転職サイト・転職エージェントについての解説はこちらから

大学職員になるためのおすすめの転職サイト3選・エージェント4選「大学職員に転職したいけど、どの転職サイトに登録すればいいのかわからない!」 「私は国立大学職員が第一志望だから、転職サイトには登...

 

2-2. 公務員と国立大学職員の年収を比較

つづいて、国立大学職員と併願されることの多い、国家公務員(一般職)及び地方公務員との比較です。

 

通常、各自治体が公開しているのは職員の平均年収のみでモデル年収は公開していないのですが、大阪市のホームページで職員のモデル年収が公開されているため、再び大阪大学との比較を行います。

 

大阪大学、国家公務員(一般職)、大阪市のモデル年収は以下の「表4:国立大学と公務員の年収比較」のとおりです。

 

※国家公務員(一般職)の数字は国家公務員の給与より、大阪市の数字は大阪市職員のモデル年収額より

※金額はすべて令和元年度のものを使用

 

意外なことに、35歳時点(大阪市は36.3歳)での年収は、大阪大学が最も高くなっています。

 

また、50歳時点(大阪市は50.8歳)での年収も2番目に高く、1位の大阪市ともそれほど大きな差はありません。

 

国立大学職員は、平成16年4月に国立大学が法人化されたことに伴い、公務員としての身分を有さない「みなし公務員」となりました。

 

したがって、私も含めた国立大学職員は「自分たちの年収は公務員よりも低い」と思いがちです。

 

しかし、「表4:国立大学と公務員の年収比較」を見る限り、国立大学職員の年収は公務員とほぼ同じ水準と言ってもよさそうです。

 

2-3. 会社員と国立大学職員の年収を比較

最後に、会社員との比較を紹介します。

 

会社員の年収データは、先ほども出てきた国税庁の民間給与実態統計調査を使用します。

 

このデータは東京の一流企業勤務の会社員から地方の中小企業勤務の会社員まで含まれていますので、地域手当が最も高い東京大学と比べるのは不公平ですよね。地域手当が10%の九州大学と比較することにしましょう。

 

九州大学の給与と民間給与(男女計及び男性のみ)を年齢別に比較したものが次の「表5:国立大学と民間企業の年収比較」です。

 

 

男女計との比較ではすべての年齢において九州大学が上回っている一方で、男性のみとの比較では民間給与の方が高い傾向にあります。

 

ただし、繰り返しになりますが、九州大学の年収には扶養手当や住宅手当、超過勤務手当などの各種手当は含まれていません。

 

一方で、民間給与には労働者の受け取るあらゆる手当が含まれています。

 

したがって、実際に受け取る年収は、九州大学と民間給与(男性のみ)でほとんど差がないと言えます。

 

もちろん、九州大学のモデル年収には女性も含まれています。

 

以上のことから、国立大学職員という仕事は、民間給与の平均よりも年収が高く、女性も男性会社員とほとんど変わらない年収を得ることができる仕事だと言えますね。

 

▼国立大学職員のボーナスについて詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです!

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3. 国立大学職員の退職金はどれくらいもらえる?

ここまで国立大学職員の年収について見てきました。もちろん年収も大事ですが、生涯賃金を見込む上で退職金は重要ですよね。

この章では、国立大学職員の退職金がどれくらいなのかについて見ていきましょう。

 

3-1. 順当に出世した場合

まずは事務職員として順当に出世し、部長職もしくは課長職で60歳の定年を迎えた場合です。

 

余談ですが、事務職員のトップは事務局長で、その下に部長、課長、課長補佐、係長、主任、係員という組織体制になっている大学がほとんどです。

 

事務局長は通常、文部科学省からの出向者が就任するので、プロパー職員(国立大学で採用された職員)の出世のゴールは部長となります。

 

広島大学のホームページで、退職金の計算方法がわかりやすく示されていましたので、参考にしましょう。

 

退職手当の額は、次の式により計算されます。

①基本給月額 × ②支給割合 + ③退職手当の調整額 = 退職手当額

 

①については450,000円とします。

②については大学卒業後、38年間国立大学に勤めていたとすると、47.709となります。

③については退職時に俸給が6級(部長クラス)だったとすると、43,350円 × 60月 = 2,601,000円です。

以上の条件により計算すると、

①450,000円 × ②47.709 + ③2,601,000円 = 24,070,050円となります。

 

年収同様、大手企業の会社員には及ばないかもしれませんが、老後の資金としてはかなり心強い額ではないでしょうか。

 

3-2. 出世しなかった場合

自身が望んだのかどうかはともかく、国立大学では係長や主任のままで定年を迎える職員も一定数います。

 

いわゆる出世コースから外れた場合、退職金はどれくらいもらえるのでしょうか。

 

先ほどと同じ式で計算していきます。

①基本給月額 × ②支給割合 + ③退職手当の調整額 = 退職手当額

 

①については400,000円とします。出世コースから外れたとしても、給与月額は年功序列で上がっていくため、これくらいはもらえるでしょう。

②については大学卒業後、38年間国立大学に勤めていたとすると、47.709となります。

③については退職時に俸給が4級(係長クラス)だったとすると、27,100円 × 60月 = 1,626,000円です。

 

以上の条件により計算すると、

400,000円 × 47.709 + 1,626,000円 = 20,709,600円となります。

 

出世したケースとの差額は約336万円。これを多いと見るか少ないと見るかは人によると思いますが、私は「出世しなかったケースにしては多い」と思います。

 

3-3. 30年後、40年後に同じくらいもらえるのか?

退職金が30年後、40年後にも同じくらいもらえるのかという質問に対しては、答えは「わからないが、増えることはないと思う」です。

 

主な理由は以下の2つです。

  • 国立大学職員の退職手当は、公務員に準拠しているため
  • 公務員の退職手当は、「民間の水準に合わせる」等の理由から年々減額されているため

簡単に説明します。

 

国立大学職員の退職手当は、公務員に準拠しているため

法人化されたとはいえ国立大学と国とは、依然強い結びつきがあります。

国立大学職員の退職金のほとんどは国のお金から出ているため、公務員の水準を無視して国立大学職員の退職金だけを引き上げることは不可能であると言えます。

 

公務員の退職手当は、「民間の水準に合わせる」等の理由から年々減額されているため

内閣官房の発表している「国家公務員の退職手当の支給状況」資料によると、行政職俸給表(一)適用者が定年時に受け取る退職手当の平均は、平成27年は22,398千円でした。

しかし、令和元年には21,408千円と100万円近く減っていました。

 

国立大学職員の退職手当についても、今後、減ることはあっても増えることはないでしょう。

 

平成28年に人事院が行った調査によると、従業員50人以上の民間企業の退職金の平均は、公務員の平均を3.08%下回っています。また、必ず退職金がもらえる公務員に対して、「退職一時金制度がある」とした民間企業の割合は88%となっています。

 

国立大学職員の退職手当は減ってきているとは言え、制度設計が公務員に準拠している以上、退職金がそのものがなくなることはありませんし、大幅に減ることも考えにくいです。

 

4. 筆者のケース(25歳・30歳・35歳の給与と退職金)

ここまでは各大学等が発表しているモデル年収を用いて比較してきましたが、最後に、元・国立大学職員である筆者の給与を年齢ごとに公開しますね。

 

以下が、私の経歴です。

地域手当のない、地方国立大学に事務職員として勤務していました。

【経歴】
  • 大学卒業(22歳)
  • 民間企業で2年間働く
  • 地方国立大学に転職(24歳)
  • 27歳で出産後、1年間の育休
  • 夫の転勤など諸事情により退職(36歳)

 

25歳・30歳・35歳の年収と退職金は次のとおりでした。

 

4-1. 25歳の年収

25歳の年収は、約375万円でした。

 

内訳は以下の通りです。

  • 基本給 約228万円(19万円 × 12月)
  • 賞与 約86万円(夏・冬)
  • 住宅手当 約32万円(2万7千円 × 12月)
  • 超過勤務手当 約27万円(月平均15時間程度)
  • 通勤手当 約2万円

 

前職での経験を考慮してもらえたため、国立大学職員の初任給よりは高めの基本給にしていただけました。同僚の話を聞く限り、転職者と新卒から国立大学職員の人とで給与の差はほぼないようです。

 

一人暮らしでしたが住宅手当があったことと、そこそこ残業をしていたことから、金銭的にはあまり不自由しませんでした。

 

4-2. 30歳の年収

30歳の年収は、約405万円でした。

 

内訳は以下の通りです。

  • 基本給 約276万円(23万円 × 12月)
  • 賞与 約104万円(夏・冬)
  • 住宅手当 0万円(住宅購入のため)
  • 超過勤務手当 約23万円(月平均10時間程度)
  • 通勤手当 約2万円

 

25歳の年収と比較してあまり増えていませんが、主な要因は以下の2つです。

  1. 持ち家になったため住宅手当がなくなったこと(▲32万円)
  2. 育児のために残業時間を減らしたこと(▲4万円)

 

なお、扶養手当は通常、夫婦どちらかの会社からのみ支給されるため、夫の会社から貰っていました。なので子供がいても0円です。

 

このころは収入の多い少ないよりも、とにかく仕事と育児の両立が大変でした…。

 

4-3. 35歳の年収

35歳の年収は、約500万円でした。

 

内訳は以下の通りです。

  • 基本給 約324万円(27万円 × 12月)
  • 賞与 約121万円(夏・冬)
  • 住宅手当 0万円
  • 超過勤務手当 約53万円(月平均20時間程度)
  • 通勤手当 約2万円

 

5年で年収が約100万円増えました。

 

育児が少し落ち着いたため、残業時間が増えたことが主な要因です。

 

自分の奨学金を返済し終えたことと、子どもの保育料がかからなくなったことから、夫のみの収入でもやっていけそうだと考え、退職を意識し始めました。

 

4-4. 退職金

夫が転勤するタイミングで退職しました。

 

36歳(12年間勤務)で退職したときの退職金は、約270万円でした。

 

定年退職したときの退職金と比べるとずいぶん少ないですが、引っ越しでまとまったお金が必要だったため、退職金がもらえたのはとても助かりました。

 

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5. まとめ

国立大学職員の年収は、文部科学省のホームページで公開されています。

 

大学ごとの年収に差はありますが、その要因は地域手当の高低によるものであり、志望大学を決める際に年収の差はそれほど気にしなくてOKです。

 

そして、以下が国立大学職員の年収と他業種の年収を比較する上でのポイントです。

 

私立大学職員の年収

国立大学職員の年収より高い場合もあれば、低い場合もあります。高年収を目指して私立大学職員を志望する場合は、転職サイトやエージェントサービスをうまく利用し、志望大学の年収についてよくリサーチしておきましょう。

 

公務員の年収

国立大学職員の年収とほぼ同じ水準です。

 

民間企業の年収

国立大学職員の年収が民間企業の平均年収(男女計)を上回っています。また、国立大学に勤める女性は男性会社員の平均とほとんど変わらない年収を受け取ることができます。

 

国立大学職員の退職金は、出世をする・しないに関わらず、定年退職の場合は2,000万円以上もらえる見込みです。ただし、今後減額される可能性があります。

 

ここまで読んでいただけた方にはご理解いただけると思いますが、国立大学職員の給与は安定しており、また、転勤も基本的にないことから、国立大学職員は非常にライフプランを立てやすい職業であると言えます。

 

地元でずっと暮らしたいという方や、給料はそこそこで良いのでワークライフバランスを重視した働き方をしたい方には特におすすめの職業です。

 

あなたが国立大学職員という仕事に少しでも興味を持ったとき、この記事が役に立つことを心より願っています。

 

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